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過蓋咬合はインビザライン矯正で治せる?早めの治療がおすすめ!?

歯科医師
土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)

鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。

過蓋咬合かがいこうごう)とは、歯をグッと噛み締めた際に上下の前歯の重なりが深くなることを指しますが、他にも「ディープバイト」とも呼ばれ、不正咬合の一種です。(特に嚙み合わせの深さが3mm以上の人を指します)

この過蓋咬合ですが、以前はマウスピースを使ったインビザライン矯正では治療が難しいとされてきました。

しかし、ここ数年の技術革新によりインビザライン矯正での治療が可能になりました。

この記事では、過蓋咬合のインビザライン矯正の方法や、過蓋咬合になる原因や過蓋咬合を治さないで放置した場合のデメリットなどを詳しく解説します。

「自分は過蓋咬合かもしれない」と思っている方はぜひインビザライン矯正での早期治療を検討してみてくださいね。

過蓋咬合はインビザライン矯正での治療が可能

過蓋咬合はインビザライン矯正での治療が可能になりました。

過蓋咬合の基本的な治療方法は、上下の前歯を歯茎方向に押し下げ、上下の嚙み合わせをバランスよく調整することで下の前歯が見えるようにする方法です。

具体的には、上の歯の裏側にマウスピースに突起がついたものを装着して、その突起部分と下の前歯が接している部分がガツンと当たるように設計し、下の前歯と上の前歯を上下に広げることによって前歯を圧下させます。

過蓋咬合の方の歯並びは横から見ると湾曲していることが多いため、これをインビザライン矯正によって平坦にしてあげることが一般的なゴールとなり、そうするためには、全体的なアプローチをしないと治りません。

また、過蓋咬合の重症度や精密検査の結果によっては、インビザライン矯正とワイヤー矯正の併用で治療する場合もあります。

過蓋咬合の主な原因を4つ紹介

歯の嚙み合わせが深いことを「過蓋咬合」と言いますが、どういったことが原因でこの過蓋咬合は起こるのでしょうか?主な原因を4つ紹介しましょう。

過蓋咬合の原因1|上下の顎の発育バランスが悪い

上顎の発育が進み過ぎ、下顎と比べて上顎が大きくなり過ぎた場合や、下顎の発育が弱く、上顎に対して骨格が小さくなった場合など、上下の嚙み合わせバランスの崩れによって過蓋咬合になる場合があります。

これは遺伝によることが多いです。

過蓋咬合の原因2|虫歯や事故などで臼歯部を失った

歯の奥の方の4番から8番の小臼歯と大臼歯を合わせたところを臼歯部と言います。

臼歯部を虫歯や事故で失うと、高さがなくなるため噛み合わせが深くなり、そのまま過蓋咬合になることもあります。

過蓋咬合の原因3|不良習癖が続いた

不良習癖とは、以下のようなことを言います。

  • 唇を噛む癖
  • 指を吸う癖(指しゃぶり)
  • 歯ぎしりや食いしばりなどの癖

これら不良習癖も過蓋咬合の原因になります。

例えば、強い歯ぎしりや食いしばりによって奥歯が年々すり減ると、奥歯の高さが低くなった結果、前歯の嚙み合わせが深くなり過蓋咬合になる場合があります。

過蓋咬合の原因4|顎関節の異常

顎関節の状態に異常が出ると、上下の嚙み合わせの位置に影響し、過蓋咬合になる場合も。

過蓋咬合を放置することで懸念されるデメリット5つ

過蓋咬合の方の多くは、一見して歯並びが悪いと感じることはほとんどありません。むしろ、歯並びはきれいな方もたくさんいます。

そのため「インビザライン矯正で治療をして治さなくても大丈夫」と考える方が多く、いつの間にか噛み合わせが悪くなっていき、そのまま悪影響が出てしまうことも。

矯正しなくても良さそうに思われる過蓋咬合ですが、インビザライン矯正をしないでそのまま放置すると何か影響が出てくるのでしょうか?

放置したときのデメリットを5つに分けて解説します。

過蓋咬合を放置するデメリット1|顎関節症になる

過蓋咬合を放置する一番大きなデメリットとして、顎関節症になることです。

顎関節症とは、口を開こうとすると顎関節や顎を動かすための周囲の筋肉が痛んだり、口を大きく開けられなかったり、また、口の開閉の際に顎関節で音がするといった症状です。

過蓋咬合は噛み合わせが深いことで下顎の動きが制限されてしまい、顎関節に大きな負担がかかりやすいため、顎関節症が起こりやすいのです。

過蓋咬合を放置するデメリット2|出っ歯になる

下の前歯が上の前歯に強く食い込むため、上の前歯が押し出され出っ歯になることがあります。

下の前歯が上の前歯に強く当たり歯に負荷がかかるか、もしくは、下の前歯が上の前歯の裏側の歯茎に当たると、歯茎が炎症を起こしやすくなります

過蓋咬合を放置するデメリット3|ガミースマイルになる

ガミースマイルとは、笑った際に上の前歯の歯肉部分が過剰に露出して見える状態のことです。

上の前歯が過度に生えた過蓋咬合では、上の前歯の位置が低くなります。

それにより、歯茎の見える部分が増えるため、ガミースマイルを生じやすくなります。

チャームポイントと捉えることもありますが、ガミースマイルは審美性にかけると思う方も少なくありません。

過蓋咬合を放置するデメリット4|咀嚼障害・消化器官の不調につながる

過蓋咬合の歯並びでは、上下の歯で適切に咬合できなくなり、特に前歯で食べ物をしっかり噛むことができません

臼歯部は強い咬合力ですが、前歯の部分で噛めないこともあり、歯全体としての咀嚼力が劣ります。

しっかり咀嚼できないということは、食べ物を消化しやすい状態にすることが困難ということです。

このため胃腸への負担が増え、消化器官の不調の原因につながります。

過蓋咬合を放置するデメリット5|他の歯への悪影響と構音障害をもたらす

臼歯部の強い咬合力により歯のすり減りが懸念されます。

歯のすり減りが進行すると、歯のエナメル質が失われ、象牙質が露出することもあります。

また、日常的に臼歯部に強い咬合力が加わり続けると、歯が咬合力に耐えられず破折する危険もあり、歯根が破折した場合は、抜歯をしなくてはならないこともあります

そして、過蓋咬合は下顎がうまく動かない傾向があり、言葉がはっきり伝わらないなどの構音障害をもたらすことがあります

過蓋咬合は早めのインザライン矯正がおすすめ

過蓋咬合は、年齢を重ねる毎に噛み合わせが深くなります。

上述したデメリットも考えると、過蓋咬合は早めのインビザライン矯正がおすすめです。

過蓋咬合をインビザライン矯正で治療する場合、他の不正咬合を併発している場合もあるため、治療期間は1年半~2年半が目安となります。

また、費用相場は自由診療(保険適用外)のため、90万円~110万円です。

将来のことを考えるととても大切な治療です。特にお子さんの場合は、まだ顎骨の成長が見込める時期なためインビザライン矯正がスムーズに進みます

まずは信頼できる歯科医院に相談してみましょう。

より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。

監修医師:土黒 さくら

インビザライン認定ドクター

キレイライン認定ドクター

略 歴
2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
2020年 赤坂さくら歯科クリニック 開院

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