インビザラインのリファインメントで変化は何枚目から実感?必要枚数の平均について解説!
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
インビザライン矯正は、世界で1400万人以上の治療実績がある大変人気のマウスピース矯正ブランドです。
インビザラインでは目立ちにくいマウスピースを使用して歯並びを整えていきます。
ただし、歯の動きには個人差があり、治療計画どおりに歯が動かないことも多いです。
多少の歯の動きの誤差を解消するために必要なのが「リファインメント」です。
リファインメントでは、アライナー(マウスピース)を追加することで誤差を解消し、治療計画の修正をしていきます。
そこで
「リファインメントとしてインビザラインで変化がわかるのは何枚目のマウスピースから?」
「マウスピースは全部でどのくらい使うの?」
と気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、インビザライン矯正で効果を実感できるタイミングや、マウスピースの必要枚数の平均などについて解説をします。
マウスピースの枚数が平均より増えてしまう原因についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインの効果は何枚目から実感できる?
インビザラインで効果を実感できるマウスピースの数は、15〜20枚を超えたあたりであることが多いです。
その理由は、マウスピースを15〜20枚交換し終えた頃には、歯はおよそ3mm程度移動するからです。
効果の実感の仕方は人それぞれなので一概には言えませんが、3mm程度動くと効果を実感できる人が多いでしょう。
インビザラインでは、1週間に1回くらいの頻度でマウスピースを交換します。
1枚のマウスピースで0.25mm程度歯が動きますので、1ヶ月でおよそ1mm動かすことができます。
15〜20枚を終えた頃には、少なくとも3mmくらい動く計算になります。
期間にすると約6ヶ月です。
ただし、インビザラインの矯正を実感できる日数は、動かしたい本数や元々の歯並びの状態などの前提条件により大きく左右されます。
また、前述の通り実感の仕方には個人差がありますので、あくまで目安として考えてください。
インビザラインで必要なマウスピースの平均枚数は?
インビザラインで治療が完了するまでに必要なマウスピースの平均枚数は50枚前後です。
50枚の内訳は以下の通りです。
- 治療前のクリンチェックで作成するマウスピース:30枚〜80枚程度
- 追加アライナー(リファインメント):15〜30枚程度
インビザラインでは、治療を始める前にPC上で治療計画をシミュレーションする「クリンチェック」を行います。
治療前のクリンチェックでは、30枚〜60枚程度のマウスピースを使用する計画を作成することが多いです。
しかし、実は最初の治療計画で決めたマウスピースを全て終了したら終わりではないのです。
多くの場合、「リファインメント」というマウスピース(アライナー)を追加する行程が発生します。
最初に作成した30枚〜60枚程度のマウスピースで歯を大きく動かし、その後リファインメントの15〜30枚で微調整を行います。
追加アライナーをすることで、より精密な歯のコントロールをすることができます。
リファインメントで作成するマウスピースの目安は15〜30枚程度となります。
よって、合計で50枚前後のマウスピースを使用することになります。
マウスピースの最大数はパッケージによって異なる
インビザラインでは、選択するパッケージによりマウスピースの最大数が異なります。
パッケージ別・マウスピースの最大枚数
対応症例 | アライナー数 | 適応範囲 | |
インビザライン・コンプリヘンシブ | 重度の歯並びに対応 | 最大99枚 | 上下28本(全顎) |
インビザライン・モデレート | 中度の歯並びに対応 | 最大26枚 | 上下28本(全顎) |
インビザライン・ライト | 軽度の歯並びに対応 | 最大14枚 | 上下28本(全顎) |
インビザライン・エクスプレス | ごく軽度の歯並びに対応 | 最大7枚 | 上下16本(前歯および第一小臼歯のみ) |
インビザラインGO | 部分矯正に対応 | 最大20枚 | 上下20本(前歯のみ) |
マウスピースの枚数が平均よりも増えてしまう原因
インビザライン矯正では、治療前にクリンチェックで立てた計画枚数よりもマウスピースの枚数が増えてしまうことがあります。
では、具体的にどんな時にマウスピースの枚数が平均よりも増えてしまうかを詳しくご紹介しましょう。
正しく装着できていないとき
インビザライン矯正では、マウスピースを正しく装着できていないと治療計画から遅れてしまうことがあります。
歯を動かす矯正力を発揮するためには、マウスピースがカチッと歯にはまっている状態にすることが必要です。
一部浮いてしまってるなど、歯にフィットしない状態で長時間装着したとしても期待する効果がでませんので気をつけましょう。
装着時間が短いとき
装着時間が短いことも治療計画から遅れが生じる原因となります。
インビザライン矯正では、最低でも1日20時間以上の装着が必要です。
装着時間が足りない場合、「後戻り」という歯が元に戻ろうとする作用が働いてしまいます。
医師に指示された適正な装着時間をしっかり守ることが大切です。
歯を大きく動かすとき
マウスピースの使用枚数は、どのくらい歯を動かす必要があるかによって変わってきます。
特に、奥歯を動かすには時間がかかりますので、その分多くのマウスピースが必要となります。
治療計画を作成する段階で必要なマウスピースの数がおおよそ決まりますので、よく確認しておきましょう。
歯に合っていないとき
マウスピースが歯にあっていないときは治療期間が延びてマウスピースの枚数が増えることがあります。
インビザライン矯正では、治療開始前に3Dで取り込んだデータを元に綿密な治療計画を作成しますが、歯の動きが確実に計画通りに進むとは限りません。
マウスピースが歯に合わなくて痛みがでる場合は、早めに医師に相談してください。
歯周病の症状が強い場合
歯周病の症状が強い場合、戦略的に動かすペースをゆっくりにすることがあります。
結果としてマウスピースの枚数は増えますが、歯に与えるダメージを最小限にするためには少しずつ穏やかな力をかけていくことが重要です。
まとめ
インビザラインで変化を実感できるマウスピースの枚数や、最終的に使用する枚数の平均についてご紹介しました。
インビザラインでは、1枚のマウスピースで0.25mm程度歯を動かすことができるため、半年ほど治療を進めると3mm程度の移動が期待できます。
よって、マウスピースを15〜20枚程度終えたあたりから変化を実感できるでしょう。
また、治療が全て完了するまでに必要なマウスピースの数はおよそ50枚です。
最初の治療計画に基づいて作成するマウスピース数に加え、クリンチェックでアライナーを15〜30枚程度追加することがあります。
そして、正しい装着方法や装着時間が守られなかったり、歯を動かす距離などによっては、マウスピースが平均枚数より多く必要となる場合があります。
インビザライン矯正では、最初に精度が高く予測実現性の高いクリンチェックをすることが重要となります。
実績が多く、信頼できるクリニックでインビザライン矯正を行うことがおすすめです。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。