歯周病治療は痛いの?歯周病予防にインビザライン矯正がおすすめな理由
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
歯周病とは、歯を支える歯茎や歯槽骨が炎症を起こし、徐々に歯を支えることができなくなる病気です。
30歳以上の約80%が歯周病にかかっていると言われ、近年では生活習慣病として位置づけられています。
全身の健康にも影響を与えるという研究データも報告されており、歯周病予防や治療は非常に重要視されています。
この記事では、
- 歯周病の治療は痛いの?
- 歯周病予防には歯列矯正がいいって本当?
- 歯周病になりづらい矯正はインビザライン?
などについて解説します。
赤坂さくら歯科クリニックでは歯周病治療や予防、歯列矯正についてさまざまな提案をしています。
歯周病やインビザライン矯正で気になることや不安がある方は一度ご相談ください。
目次
歯周病の治療は痛い?
歯周病の治療が痛いかどうかは、歯周病の重症度によることが大きいです。歯周病治療中、痛いと感じるのは以下のようなときです。
- 歯肉の炎症部分に器具が触れたときに痛い
- 歯石を取るときに知覚過敏が生じてしみて痛い
- 麻酔の針を刺すときに痛い
まず、歯周病の進行具合を調べるために、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)に歯科専用の器具を差し込み、溝の深さを測るのですが、その際に器具の先端が歯肉に触れ、痛みを感じることがあります。
また、歯周病治療の基本である「スケーリング(歯石取り)」をする際に、歯肉の炎症部分に、歯石を取り除く器具が触れることで痛みを感じたり、歯石を取る機械から出る水が知覚過敏で染みたりすることもあります。
歯石とは歯垢が石灰化したもので、歯の表面に付いている細菌のかたまりです。歯垢や歯石の中の歯周病菌が歯茎に炎症を引き起こし、歯周病を招きます。
歯茎が歯周病により下がっている(歯の象牙質が露出している)と、スケーリングで歯石を取ったとき、むき出しになった部分の歯がしみて、痛みを感じることもあります。
歯周病治療中の痛みは、歯周病の進行具合によって異なりますが、どうしても痛い場合は医師に相談しましょう。麻酔などを検討します。
歯並び・噛み合わせの悪さは歯周病につながる
『(前略)プラークコントロールを妨げる歯の位置異常が存在する場合,あるいは歯列不正による咬合性外傷が明らかな場合には,矯正治療を行うことで歯周治療の効果を高めることができる(後略)』
引用:歯周治療のガイドライン2022
プラークコントロールとは歯垢を取り除き、口腔内環境を正常に維持することですが、歯垢がつきやすい原因のひとつとして歯並びの悪さがあります。
また、噛み合わせの悪さも、歯周病の要因になります。
ここでは、歯並び・噛み合わせの悪さがどうして歯周病につながるのか詳しく解説します。
歯並びの悪さから歯磨きによる磨き残しが増える
ガタガタの歯並びは、歯磨きがしづらくなります。そのため、ブラッシングが全体に行き届かず、磨き残しが増える原因になります。
特に歯と歯が重なる箇所などは歯磨きがしづらく、歯垢が溜まりやすくなるため、歯周病の大きな要因になります。
歯並びの状態によっては口呼吸になる
歯並びが悪いと、状態によっては口がうまく閉じられず口呼吸になる方もいます。
口腔内は唾液が口腔内の汚れを洗い流すことで、細菌の繁殖を抑えています。
しかし、口呼吸になることで口の中が乾燥し、歯周病の原因菌である細菌が活発になり、増殖しやすい環境を作ってしまいます。
つまり口呼吸によって口腔内が乾燥すると細菌が増殖し、歯周病リスクを高めるのです。
噛み合わせが悪くなり一部の歯に負担がかかる
『(前略)矯正治療により歯列不正を改善することで,(中略)外傷性咬合を改善し,歯周治療の効果を高めることができるばかりでなく,審美性の回復も行うことができる.(後略)』
引用:歯周治療のガイドライン2022
外傷性咬合は噛み合わせの異常や歯ぎしりなどのことで、歯を支える機能に損傷を与える原因になります。
外傷性咬合を放置すると一部の歯に負担をかけ、歯だけではなく、その歯を支える歯肉にも負担を与えます。そして歯肉に炎症が起こって歯周病になる可能性があります。
また、外傷性咬合のためすでに歯周病の場合は、悪化を助長させるため、すぐの治療が必須です。
歯列矯正により噛み合わせを治療することは審美面だけでなく歯周病治療に有効なのです。
インビザライン矯正で歯周病を予防
歯周病になりにくい歯列矯正としてマウスピース矯正の「インビザライン矯正」をおすすめします。
歯列矯正をしていると普段の歯のお手入れがしづらいことから、歯周病リスクが増えます。
特にワイヤー矯正はブラケット(歯の表面につけた四角いボタンのようなもの)の設置部分に凸凹ができるため、歯の磨き残しが出やすく、歯周病や虫歯になりやすい傾向があります。
しかし、インビザライン矯正のようなマウスピース矯正なら、マウスピースの取り外しが可能なため歯磨きをスムーズにできます。
インビザライン矯正は歯磨きがしやすい点、マウスピースのお手入れがしやすい点で、歯列矯正の中では歯周病になりにくい矯正方法です。
矯正中は正しい歯磨きを心がけ、歯周病予防につなげましょう。
インビザライン矯正は歯周病治療後
歯周病にすでに冒されている方で、「インビザライン矯正をしたいけどできるの?」と不安に思っている方もいるかと思います。
基本的に歯周病治療を完了してからのインビザライン矯正が望ましいです(重度の歯周病の場合はインビザライン矯正が難しい場合もあります)。
なぜなら歯並びを早く整えたいからといって、歯周病治療が不十分な状態で矯正治療を行うと、歯周組織の破壊を促進することがあるからです。
歯周病治療を行って症状が落ち着き、矯正治療ができる状態になったと医師が判断してからインビザライン矯正を開始することが一般的です。
矯正治療によって歯並びが改善されると、口腔衛生の管理がやりやすくなり、歯周組織の維持安定に効果的ですよ。
まとめ
歯周病の治療が痛いと感じるのは、歯肉に器具が触れたときや歯石を取る機械から出る水が知覚過敏で染みて痛いなどが挙げられます。
歯周病治療で痛い思いをしないためにも事前に歯周病を予防することは大切です。
インビザライン矯正などの歯列矯正によって歯並びや噛み合わせを治すことは歯周病予防に大きな影響を与えます。
歯並びの改善により、歯磨きがしやすくなり歯垢の蓄積を防いだり、口呼吸をしなくなることによって口腔内の細菌の繁殖を抑えたり、噛み合わせの改善は歯への負担を減らしたりと歯周病リスクを大幅に減らします。
歯周病は毎日のブラッシングと定期的な検診が特に大切ですが、歯列矯正によって歯並びや噛み合わせを改善することは歯周病予防効果を高めます。
歯並びや噛み合わせが気になる方は初診相談・カウンセリングが無料の赤坂さくら歯科クリニックへ一度ご相談ください。
当院には歯列矯正のエキスパートである認定医が在籍しています。患者様一人ひとりにぴったりの治療プランをご提案させていただきます。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をお待ちしております。