マウスピースのキレイライン矯正の治療期間は?他の矯正方法との比較や早く終わるための方法を解説!
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
キレイライン矯正は、透明なマウスピースで目立ちにくく、リーズナブルなため人気のマウスピース矯正です。
しかし、歯列矯正は長い時間がかかると聞いて不安になっている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回はマウスピースのキレイラインの矯正期間や、治療方法別の治療期間の比較、治療期間を短縮させる方法について解説します。
キレイライン矯正が気になっている方や、短い期間で歯列矯正をしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
キレイラインの矯正期間
症状の重さや選択するコースによって異なりますが、キレイライン矯正の矯正期間は約5ヶ月〜1年3ヶ月が目安です。
また、どのコースを選んだとしても、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」を防ぐための保定期間が必要です。
以下で、コースごとの治療期間の目安と保定期間について解説します。
4回コース
キレイライン矯正の4回コースにおける治療期間の目安は約5ヶ月です。
4回コースは、キレイライン矯正の中でも最も少ない期間で終了するプランで、使用するマウスピースの枚数は上下合わせて計16枚です。
4回コースで治療可能な症例は、前歯1本のみの叢生(がたつき)や、非常に軽度なすきっ歯、出っ歯などに限定されます。
7回コース
キレイライン矯正の7回コースにおける治療期間の目安は約8ヶ月です。
7回コースでは、約8ヶ月の間にマウスピースを計28枚使用して歯並びを整えていきます。
7回コースが適応となる症例は、前歯のちょっとした叢生(がたつき)や、軽度な八重歯などです。
<キレイライン矯正7回コースの症例>
症状:前歯部の叢生
治療費用:290,000円(税抜)+IPR1回 3,000円(税抜)
治療期間:約7ヶ月半
施術前は上の前歯の中切歯が前に飛び出しています。
IPRと呼ばれる歯と歯の間を削る処置を行うことでスペースを作り、突出した前歯を後方に移動させて歯並びの改善を行っています。
施術後は、全ての歯がアーチ状に並んでいる理想的な歯並びとなりました。
10回コース
キレイライン矯正の10回コースにおける治療期間の目安は約1年3ヶ月です。
10回コースは治療期間が比較的長いですが、4回コース、7回コースに比べて症状の重い歯並びも治すことが可能です。
10回コースでは、拡大床やIPR(歯と歯の間を削る処置)を併用することで、出っ歯や受け口を改善するための歯のスペースの確保が可能です。
前歯の叢生(がたつき)だけでなく、奥歯の移動も含めた矯正をしたい方におすすめのコースです。
保定期間
キレイライン矯正に限らず、歯列矯正によって歯並びを整えた後は「保定期間」が必要です。
「保定期間」とは、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」という現象を防ぐための工程です。
歯は一生動き続けるため、保定期間はできるだけ長い方が良く、最低でも1〜2年以上は保定装置を使用することが望ましいです。
治療方法別の治療期間の比較
従来は、マウスピース矯正はワイヤー矯正より多くの治療期間を要するとされていました。
しかしマウスピースの品質やデジタル技術が向上したことにより、今ではワイヤー矯正と変わらないスピードで歯を動かすことが可能です。
治療方法別の治療期間の比較は以下のとおり。
治療期間 | |
ワイヤー矯正(表) | 1年〜3年程度 |
ワイヤー矯正(裏) | 1年〜3年程度 |
インビザライン(マウスピース) | 1年〜2年程度 |
キレイライン(マウスピース) | 5ヶ月〜1年3ヶ月 |
キレイライン矯正がワイヤー矯正やインビザラインより治療期間が短い理由は、対応している症例の違いです。
ワイヤー矯正やインビザラインは、抜歯を伴う治療など、奥歯の移動も含めた全体的な治療(全体矯正)を行うことが多いため、治療期間の平均が長くなっています。
一方キレイライン矯正は主に前歯のみの治療(部分矯正)を対象としているため、対応できない症例も多いですが、比較的短い治療期間で済みます。
キレイライン矯正の矯正期間が短い理由
キレイライン矯正の矯正期間が短い理由は以下の4点です。
- デジタル技術を活用して最適な治療計画を立てるから
- 歯科技工士が適切な歯列をデザインするから
- 高性能なマウスピースを使用するから
- 適応症例が軽度な叢生やすきっ歯に限られているから
以下で詳しく解説します。
デジタル技術を活用して最適な治療計画を立てるから
歯列矯正の治療期間を短くするには、高精度な治療計画を立案することが重要です。
キレイライン矯正は、デジタル技術を活用してシミュレーションを行う次世代型の矯正システムです。
口腔内のデジタルデータを元に、効率の良い歯の動かし方を計算した上で最適な治療計画を立てるため、治療スピードを上げることができます。
歯科技工士が適切な歯列をデザインするから
キレイライン矯正のマウスピースは、歯科医師の指示のもと、国家資格を持つ歯科技工士が歯列デザインを担当します。
歯にかかる力が強すぎると、歯根吸収(歯の根が短くなる現象)が起きてしまうリスクがあります。
国家資格を持つ歯科技工士が、歯の形や種類ごとにマウスピースを調節することで、歯根吸収のリスクを抑えながら短期間の治療を可能にしています。
高性能なマウスピースを使用するから
キレイライン矯正のマウスピースは、強度や弾力性が高い素材を使用しています。
強度が強いため矯正治療中にありがちな”マウスピースが割れる・欠ける”ということが起こりにくく、弾力性が高いため矯正力を長く維持できるのが特徴です。
また、キレイライン矯正ではソフトとハードの2種類のマウスピースを順番に装着するため、痛みを抑えながらも短い治療期間を実現しています。
適応症例が軽度な叢生やすきっ歯に限られているから
そもそもキレイラインのアライナー(装置)は、重度の歯列不正や顎の骨格的な問題には対応しておらず、矯正が必要な範囲や程度が軽度であることが前提となります。
つまり、軽度な叢生(歯が密集している状態)やすきっ歯(歯間に隙間がある状態)のような、比較的矯正が容易なケースに限られています。
そのため、そもそも治療が短期間で終わることが前提としてあります。
治療期間を短縮させる方法
ここまで、キレイライン矯正の治療期間の目安について解説しました。
しかし治療期間の目安はあくまでスムーズに治療が進んだ場合のものです。
マウスピースの使用方法を守れなかったり、お口の中のトラブルなどが原因で治療期間が長引く可能性があります。
以下で、できるだけ治療期間を短縮するための方法について紹介します。
装着時間を守る
キレイライン矯正のマウスピースは、1日20時間以上装着することが必要です。
マウスピースは取り外しが可能なため清潔を保ちやすいのがメリットですが、装着時間を守るためのきちんとした自己管理が求められます。
装着するのを忘れてしまったり、装着時間が足りない場合は、歯が計画通りに動かず治療期間が伸びてしまうことがあります。
通院を怠らない
キレイライン矯正は、定期的な通院が必要な治療方法です。
コース払いの場合は3ヶ月に2度のペースで通院し、歯の動き具合の確認、マウスピースの調整・メンテナンス、口腔状態の確認を行います。
通院を怠ってしまうと、マウスピースや口腔内のトラブルへの対応が遅れるため、矯正治療が長引いてしまう可能性があります。
歯磨きを念入りに行う
キレイライン矯正を短期間で終えるには、歯磨きを念入りに行い、虫歯や歯周病に気をつけることが大切です。
矯正治療中に虫歯や歯周病になってしまうと、矯正を一時中断して治す必要があります。
矯正治療を一時中断している間に歯が動いてしまい、マウスピースを作り直さなければならないケースもありますので注意しましょう。
まとめ
キレイライン矯正の治療期間の平均は約5ヶ月〜1年3ヶ月です。
コースごとの治療期間の目安は、4回コースで約5ヶ月、7回コースで約8ヶ月、10回コースで約1年3ヶ月です。
キレイライン矯正は、ワイヤー矯正やインビザラインと比べて軽度の歯並びを対象としているため、短期間で治療が完了します。
また、デジタル技術を活用していること、歯科技工士が最適なマウスピースをデザインしていること、強度と弾力性に優れた素材を使用していることによって、高い治療効果が期待できます。
キレイライン矯正での歯列矯正に興味がある方は、まずはカウンセリングを受けて、適応症例かどうか、矯正期間はどのくらいかなどを相談してみることをおすすめします。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をお待ちしております。