インビザラインの症例について(得意とする症例と苦手とする症例も解説)
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
従来、インビザラインで治せる症例はワイヤー矯正に比べて少ないとされてきました。
しかし、インビザラインの技術は日々進化しており、適応範囲は従来と比べて大幅に拡大しています。
今回は、赤坂さくら歯科クリニックでのインビザラインでの症例を解説します。
また、この記事について赤坂さくら歯科クリニック土黒さくら医師自ら監修の下インビザラインが得意な症例・苦手な症例について詳しく解説します。
また、キレイラインについては「キレイライン7回コースの症例は?スケジュールや料金は?徹底解説!」でキレイラインの症例を紹介していますので併せてご覧ください。
より詳しくは赤坂さくら歯科クリニックにご来院ください。
目次
インビザラインの症例写真(ビフォーアフター)
赤坂さくら歯科クリニックで実際の症例ですが、こちらのページのみならずインスタグラムで見ることができます。
以下、実際の症例についてみていきましょう。また、インビザラインライトについての症例は「インビザラインライトとは?特徴や費用やメリット・デメリットなど全て解説!【症例写真あり】」をご覧ください。
インビザラインの1年半の症例
症状 | 前歯部の叢生 |
治療費用 | 990,000円(税込み) |
治療期間 | 約一年半 |
前歯部の叢生により、インビザラインの治療の前にアンバランスな状態だとわかります。
一年半のインビザライン治療により叢生が治療され、キレイな歯並びとなりました。
ビフォーアフターでかなりの改善が見れます。
インビザラインの5ヶ月の症例
症状 | 上顎の叢生 |
治療費用 | 396,000円(税込み) |
治療期間 | 約5か月 |
こちらは30代女性のインビザラインの上顎の叢生のケースです。
Beforeの写真では前歯が凸凹があるのがわかると思われますが、Afterではキレイに揃っています。
よりわかりやすく上顎の写真を表示します。
前歯部分がかなりキレイになっているのがわかるかと思われます。
インビザラインの効果は5ヶ月ぐらいで効果が現れ始めます。
インビザラインの経過については「インビザラインの経過は?効果実感までの期間を症例写真とともに解説」をご覧ください。
インビザラインの2年の症例
症状 | 叢生 |
治療費用 | 880,000円(税込み) |
治療期間 | 約2年 |
こちらは50代女性のインビザラインの症例です。
こちら2年でのビフォーアフターとなっています。
赤坂さくら歯科クリニックでは、日々インビザラインで多くの患者様の治療をしています。
では、次にインビザラインで治療が得意な症例について解説します。
インビザラインが得意な症例
そもそも、インビザラインはほぼ全ての症例に対し対応が可能となっています。
ただ、特にインビザラインが得意な症例は以下の5つあります。
- 軽度のガタガタ(叢生)/歯根の移動量が少ない症例
- 虫歯のリスクがある症例
- 金属アレルギーがある方
- すきっ歯(空隙歯列)
- 咬み合わせが深い歯並び(過蓋咬合)
では、1つずつ解説していきましょう。
軽度のガタガタ(叢生)/歯根の移動量が少ない症例
インビザラインは、歯並びがガタガタしている「叢生(そうせい)」の症状が軽く、歯根の移動量が少ない症例を治すのが得意です。
なぜなら、インビザラインが最も得意な移動の一つが前歯の傾斜移動だからです。
傾斜移動とは、歯の根は動かさずに、歯茎から上の部分の歯を傾けながら動かしていく方法です。
軽度の叢生の治療は傾斜移動を伴いますので、インビザラインが得意な症例となります。
虫歯のリスクがある症例
従来のワイヤー矯正はワイヤー装置周辺の歯磨きが難しく、虫歯のリスクが高くなる傾向があります。
一方、インビザラインは歯磨きのときに取り外しができるため、いつも通りの歯磨きができます。
虫歯のリスクがある場合には、清潔を保ちやすいインビザラインで矯正治療を始めるのがおすすめです。
金属アレルギーがある方
インビザラインは、金属アレルギーがある方でも矯正治療が可能です。
インビザラインはプラスチックのマウスピースを使用して歯並びを整えます。
ワイヤー矯正で使用する矯正装置の素材が心配な金属アレルギーの方でも、インビザラインであれば安心して治療を受けることができます。
すきっ歯(空隙歯列)
すきっ歯はインビザラインが得意とする症例です。
なぜなら、すきっ歯は歯が並ぶためのスペースが確保されていることが多く、抜歯をする必要がないからです。
ワイヤー矯正に比べて費用が安く、治療期間も短く済む可能性があります。
咬み合わせが深い歯並び(過蓋咬合)
噛み合わせが深い歯並び「過蓋咬合(かがいこうごう)」に対しては、インビザラインが非常に有効です。
ワイヤー矯正で行う過蓋咬合の治療は、噛み合わせが深いために下の歯に矯正装置を付けることが難しく、時間のかかる難易度の高い症例となります。
一方、インビザラインはマウスピースを押し入れることで歯を歯茎方向に押し込めるので、噛み合わせを浅くすることが得意です。
非常に薄いマウスピースを使用するため、問題なく全ての歯を包み込むことができます。
インビザラインの特徴を活かすことで、過蓋咬合に対してもシンプルな治療アプローチが可能です。
インビザラインが苦手な症例
インビザラインが苦手な症例は以下の3つです。
- 複数の抜歯が必要な症例
- インプラントが複数入っている症例
- 骨格に問題がある症例
それぞれについて解説していきましょう。
複数の抜歯が必要な症例
歯を並べるスペースを確保するために複数の抜歯が必要な歯並びは、インビザラインが苦手とする症例です。
例えば、重度の叢生や八重歯、出っ歯などのケースです。
マウスピースで大きく歯を平行移動させると、歯の根は動かずに歯茎から上の部分のみが倒れながら動く「傾斜移動」が発生してしまいます。
そのため、歯を並べるスペースが大きく不足していて複数の抜歯が必要な歯並びは、インビザラインが苦手な症例となります。
インプラントが複数入っている症例
インプラントは歯根と結合しているため、動かすことができません。
インプラントが複数あると動かせない歯が多くなり、矯正治療が難しくなります。
しかし、インプラントをしている歯以外の歯を動かす矯正治療であれば可能となりますし、インプラントを固定源として有効利用できるので、歯科医院で確認をしてください。
骨格に問題がある症例
骨格に問題がある症例は外科的治療が適用となりますので、歯列矯正のみで治すことはできません。
例えば、奥歯で噛んでいても前歯が噛めない「開咬(かいこう)」は、骨格が原因となっているケースがあります。
また、ガミースマイルや下顎前突の方も手術が必要な場合があります。
この場合は、顎の骨の手術によって噛み合わせを改善する必要があります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
インビザラインは基本的に全ての症例に対応可能ですが、治しやすいものしづらいものがあります。
以下、簡単にまとめました。
症例 | |
得意な症例 | ・軽度のガタガタ(叢生) ・すきっ歯(空隙歯列) ・咬み合わせが深い歯並び(過蓋咬合) |
治せる可能性がある症例 | ・前歯が噛めない(開咬) ・出っ歯(上顎全突) ・うけ口(反対咬合) |
治しづらい症例 | ・複数の抜歯が必要 ・インプラントが複数入っている症例 ・骨格に問題がある症例 |
自分の歯についてインビザラインが対応可能かどうか気になる方は、一度クリニックに問い合わせてみましょう。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。