過蓋咬合はかわいいって本当？矯正治療で治すべきかを解説

噛み合わせが深すぎる状態の不正咬合を「過蓋咬合（かがいこうごう）」といいます。

上の歯が覆い被さっており下の歯が見えない見た目ですが、一部の人からは「芸能人でもいる」「かわいい」と言われることもあります。

また、芸能人で過蓋咬合の方など検索すると多くでてきます。そこで、

「過蓋咬合がかわいいのは本当？」

「過蓋咬合は矯正治療で治すべき？」

今回はこのような疑問にお答えします。

過蓋咬合になる原因や治療方法についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

過蓋咬合とは

過蓋咬合とは、噛み合わせが深いことにより前歯の上下的な重なりが多く、下の前歯が見えにくい状態を指します。

過蓋咬合になる原因は、元々の歯の大きさや、噛み合わせ、長年の歯軋りなど、様々です。

過蓋咬合はさまざまなトラブルを誘発するきっかけとなる他、放置すると少しずつ症状が悪化していく傾向があるため、早めに治療することが大切です。

過蓋咬合がかわいいと言われる理由

過蓋咬合がかわいいと言われる理由は、笑った時に上の歯がよく見えるためです。

芸能人にも過蓋咬合の人がおり、下の顎が小さいなどの理由で過蓋咬合であっても顔がかわいく見えることがあります。

過蓋咬合はかわいいという意見がある一方、歯並びとしては悪いため、審美性の高い歯並びを目指す方は治したほうが良いでしょう。

ちなみに、過蓋咬合を治した場合、顔がしゃくれてしまうのではと不安に思う方もおられますがそんなことはありません。詳しくは「過蓋咬合って治して問題ないの？顎のしゃくれが気になる方に解説」をご覧ください。

過蓋咬合は矯正治療で治したほうが良い

過蓋咬合は見た目が悪いだけでなく、口腔内や身体全体に悪影響を及ぼすので治すべき症状です。

ここでは、過蓋咬合を矯正治療で治したほうが良い理由を具体的に解説します。

歯がすり減りやすい

過蓋咬合は噛み合わせが深いために、上下の歯の先端から徐々に歯がすり減ります。

過蓋咬合を治療せずに放っておくと、年齢を重ねるとともに少しずつ歯のすり減りが大きくなっていきます。

歯のすり減りが大きくなると神経までの距離が近くなり、痛みや歯がしみるなどの症状が出ることもあります。

顎関節症になりやすい

過蓋咬合は関節に強い負担がかかり顎関節症になりやすいです。

噛み合わせが深く、上の歯が下の歯に覆い被さるため下顎の動きが制限されます。

下顎が前方に動かせないばかりか、後方に押し込まれていくことさえあり、この時に大きな力が顎に加わることで顎関節の不調を引き起こします。

過蓋咬合を治療し下顎の動きをスムーズにすることで、顎にかかる負担を軽減する必要があります。

歯がぐらつきやすい

過蓋咬合の方は噛み合わせの力が大きいことが多く、その過大な咬合力によって歯がぐらついてしまったりすることがあります。

これは過蓋咬合だから歯がぐらついてしまうのではなく、大きな咬合力により起こってしまいます。

つめものや被せ物が外れやすい

過蓋咬合は噛み合わせが悪く、一部の歯に強い力が加わってしまいます。

つめものや被せ物、ブリッジ、インプラントなどにも負担がかかり、壊れたり外れやすいです。

何度も人工物の作り直しや付け直しをすると、通院の手間や費用が発生します。

肩こりや頭痛を引き起こしやすい

ものを噛む時は咬筋などに力が加わりますが、それらの筋肉は首や肩などにもつながっています。

過蓋咬合は強い力で噛み込むため、身体のさまざまな筋肉が緊張し肩こりや頭痛を引き起こしやすいです。

出っ歯やガミースマイルになりやすい

過蓋咬合は下の前歯が上の前歯に深く当たり、上の前歯が前に押し出されるので出っ歯になりやすいです。

また、上の前歯が下の方向に伸びすぎることから、笑った時に歯茎が見えるガミースマイルにもなりやすいです。

出っ歯やガミースマイルは目立ちやすくコンプレックスに感じる人も多いので、過蓋咬合の治療は早めに行うことをおすすめします。

過蓋咬合の治療方法

ここまで、過蓋咬合を治したほうが良い理由を解説しました。

過蓋咬合の治療には、

• 奥歯の「挺出」：歯茎の下にある歯根を引っ張り出す
• 上顎前歯の「圧下」：歯茎の方向に歯を押し込む
• 傾斜移動：歯を傾けながら移動させる

などの方法が使われます。

過蓋咬合を治療するには、ワイヤー矯正やマウスピース矯正のどちらでも可能です。

以下で、それぞれの矯正方法の特徴を説明しますので参考にしてください。

ワイヤー矯正

過蓋咬合はワイヤー矯正で治すことができます。

ワイヤー矯正は、歯茎の下にある歯根を引っ張り出す「挺出」が得意です。

挺出により奥歯に高さを出して安定させることで過蓋咬合を改善していきます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は過蓋咬合の治療に最適な矯正方法で、その理由は3つあります。

1つ目は、マウスピース矯正は噛む力を利用して自然と矯正力を加えることができるため、歯茎の方向に歯を押し込む「圧下」が得意だからです。

上と下の前歯を圧下させることにより、噛み合わせを浅くして過蓋咬合の治療を行います。

2つめは、マウスピース矯正は薄いアライナーで歯の表面を覆いますので、上下前歯が重なっている部分にもスムーズに矯正力をかけることが可能なためです。

3つめは、マウスピース矯正はアライナーの厚みにより最初から噛み合わせを浅くすることができるからです。

まとめ

過蓋咬合は笑った時に上の歯がよく見えるためかわいいと言われることがありますが、さまざまな身体の不調をきたすため治した方が良い不正咬合です。

過蓋咬合をそのままにすると、顎関節症のリスクが高まったり出っ歯やガミースマイルになりやすいなど、機能面や見た目に様々な問題が発生します。

過蓋咬合を治す方法はワイヤー矯正もしくはマウスピース矯正のどちらでも可能ですが、噛み合わせが深い歯並びにも矯正力をかけやすいマウスピース矯正が特におすすめです。

より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。