インビザラインには種類がある!それぞれの特徴と選び方のポイントとは
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
マウスピース矯正のひとつであるインビザラインは、取り外しできるマウスピースを使った歯の矯正治療です。
ワイヤー装置をつける矯正治療よりも手軽に受けやすいことから注目を集めています。
インビザラインとひとまとめにされていますが、実はいくつか種類があり、種類により治療できる範囲や適応が異なります。
この記事では、インビザラインの種類について解説していきます。
目次
インビザラインとはどのような治療なのか
インビザラインは、1997年に誕生したマウスピース矯正治療です。透明のマウスピースを作り、これを装着することで歯を少しずつ動かしていきます。
世界的に行われている矯正治療で、2022年9月時点では治療実績が1400万件を超えたとされています。
さらに、より美しい歯並びに整えることができる点もインビザラインの魅力です。
インビザラインの種類は大きく分けると6種類
インビザラインには、
- インビザライン・コンプリヘンシブ
- インビザライン・モデレート
- インビザライン・ライト
- インビザライン・ファースト
- インビザライン・エクスプレス
- インビザラインGO
といった種類があります。
これらは、年齢や症状によりどのマウスピースを使用するかが変わります。
今回は、小さなお子様向けの「インビザライン・ファースト」以外の5種類について、それぞれの特徴をみていきましょう。
インビザライン・コンプリヘンシブについて
インビザライン・フルとも呼ばれているもので、すべての歯を矯正したい場合に使用します。インビザラインの中でも最も昔からあるもので、スタンダードな治療と言えるでしょう。
部分矯正とは異なり全体矯正となるため、比較的どのような歯並びの方も対応できます。
また、マウスピースを作る数に制限がありません。
治療期間の目安は2〜3年、歯がすべて矯正された後も1〜2年ほどは保定装置を装着する必要があります。
様々な歯並びに対応できるメリットがある一方、治療期間が長くかかってしまう点は大きな投資と捉えましょう。
インビザライン・ライトについて
インビザライン・ライトは、前歯から大臼歯まで動かすことができるパッケージで、歯並びが少し悪い方向けです。
歯並びがかなり悪い場合は、インビザライン・ライトでは対応することができません。
ただしほぼすべての歯を矯正できるという点はメリットです。
インビザライン・ライトの場合、作ることができるマウスピースの数に制限があります。片顎で14枚までしか作ることができないため、この枚数だけで矯正治療が終えられる方しか対応できません。
治療期間はおよそ4〜10ヶ月です。短期間で治療を終えられる点はメリットですが、すべての方に対応できるわけではないことを覚えておきましょう。
インビザライン・エクスプレスとは
インビザライン・エクスプレスは、より短期間で矯正治療を行える方法です。
インビザライン・ライトと同様に軽度の歯並びの矯正に適した治療法で、使用するマウスピースは7枚以内、さらにピンポイントでの矯正を行いやすくしています。
例えば、前歯の隙間が気になる、前歯のわずかな凸凹が気になる、全顎矯正後の軽い後戻りなどの場合に適しています。
また、インビザライン矯正の中でも、最も費用を抑えて行える矯正治療で、低コストであるだけでなく、わずか3.5ヶ月と短期間で治療が終わる点がメリットです。
注意していただきたいのは、すべての歯並びを矯正できる治療ではないということです。
インビザラインGOとは
インビザラインGOは、部分矯正治療になります。
独自システムで口の中の状況を簡単に把握することができ、矯正治療をスムーズに行えます。
前歯〜小臼歯の歯並びを矯正できる装置で、費用を抑えて矯正治療できる点がメリットですが適応症例が限られています。
インビザライン・モデレートとは
マウスピースが7枚や14枚では矯正治療が完了しないというケースもあります。
しかし、全ての歯の矯正は必要無いという場合、全部の歯を矯正するインビザライン治療を選んでしまうと、費用が高くなってしまいます。
そこで新プランとして登場したのが、インビザライン・モデレートです。
こちらは、マウスピースを片側26枚作ることができるため、よりしっかり部分矯正していくことができます。
マウスピースの枚数を制限して費用を抑えつつ、しっかりと矯正治療が行えるのがメリットです。
ただし、適応できる症例でない場合もあるため、まずは医師に相談しましょう。
10代の場合はインビザライン・ティーンもある
インビザライン・ファーストでもお子様の矯正治療が可能ですが、「インビザライン・ティーン」と呼ばれるマウスピースもあります。
こちらは、必要に応じてオプションを追加できるマウスピースとなっていて、装着できるタイミングは、犬歯のひとつ奥の小臼歯が出ているかどうかです。
- 成長期に起こりやすい出っ歯を防ぐためのプレシジョンウイング
- 完全に出ていない歯が伸びすぎてしまうのを防ぐ萌出タブ
などのオプションがあるほか、
- 装着時間をより管理しやすくなるコンプライアンス・インジケーター
- 交換のためのトレー
が余分についているなど、使いやすさにこだわった点が特徴です。
インビザラインは、クリニックでしっかり診断を受けることが大事
インビザライン治療を成功させるためには、事前の診察がとても重要です。
様々な種類があるため、まずは自分に適しているインビザラインの治療法を知らなければいけません。
そのためにも、お口の中をしっかりと診察し、より適した治療法を提案してくれる専門のクリニックで相談するようにしましょう。
歯科医院で矯正治療を行っていればインビザラインも取り扱っているというわけではありませんので、どのような矯正治療をしているのか確認し、インビザラインに対応しているクリニックで相談するようにしてください。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。