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歯列矯正はどれくらいで変化がわかる?変化するのが早い人の特徴も解説!

歯科医師
土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)

鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。

近年、歯並びに対する意識が大きく変わり、歯列矯正をする人が増えてきました。

しかし、歯列矯正は長い時間がかかると聞いて不安になっている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、歯列矯正で変化がわかる時期と、変化に時間がかかる理由を解説します。

治療中だけど歯が動いていない気がしている方や、矯正治療を検討中の方は参考にしてください。

歯列矯正はどれくらいで変化する?

歯列矯正は、歯を少しずつ動かしてきれいな歯並びに整えていく治療です。

ここでは、1ヶ月に歯が動く量や、どのくらいで変化がわかってくるかについて解説します。

歯は1ヶ月に0.5mm〜1mm動く

歯が動くスピードは、年齢や歯の長さなどによって個人差がありますが1ヶ月に0.5mm〜1mm程度です。

歯列矯正によって歯根を動かすには、多くの時間を要します。

早く動かそうと思ってあまりに強い力をかけてしまうと、歯根に大きなダメージが及び、「歯根吸収」が起きてしまうことがあります。

なお、歯列矯正にはワイヤー矯正やマウスピース矯正などの方法がありますが、矯正方法によるスピードの違いはあまりありません

半年ほどで変化を実感

個人差はありますが、矯正をはじめてから半年ほどで効果を実感する人が多いです。

歯は1ヶ月に0.5mm〜1mm程度動くので、半年後には約3mm〜6mmの変化があります。

前歯部の配列のためにひたすら臼歯部を遠心移動していることも多いため、前歯部の叢生の改善を実感するのが1年後という人もいます。

臼歯部の遠心移動で臼歯部に隙間ができて物が挟まりやすくなり、それで矯正で歯が動いていることを実感される方が多いです。

なぜ歯列矯正の変化には時間がかかる?

ここでは、歯並びの変化に時間がかかる理由について詳しく解説しましょう。

歯が動くしくみ

歯列矯正による歯の移動は、歯に加えられた力「矯正力」によって歯周組織が変化することで起こります

人の歯は、「歯根」と呼ばれる根っこの部分が歯茎の中の「歯槽骨」と呼ばれる骨の中に埋まっています。

また、歯根と歯槽骨の間には「歯根膜」という組織があり、歯根膜は常に0.25mmの厚さを保とうとする性質があります。

矯正によって歯に力が加わると、まず歯根膜の範囲内で歯が動きます。

その後、歯根膜がもとの0.2mmの厚さに戻るために、破骨細胞と呼ばれる骨を溶かす作用がある細胞が歯槽骨を溶かして歯根膜を広げます。

同時に、骨芽細胞と呼ばれる骨を作る作用がある細胞が歯根膜のスペースを埋めます。

以上の周期を何度か繰り返すことで、歯は少しずつ動いていきます。

歯を大きく動かせない理由

短期間で歯を大きく動かすことができない理由は、無理に歯に大きな力をかけると歯根にダメージが及び、「歯根吸収」が起きてしまう可能性があるからです。

歯根吸収すると歯の根が短くなり、将来的に歯がぐらぐらしたり抜けてしまうリスクが高まります。

1ヶ月に0.5mm〜1mm程度の移動であれば、歯に負担がかからず、痛みも出過ぎない適切なスピードです。

矯正期間の平均は?

歯列矯正の期間は、全ての歯を動かす「全体矯正」か、前歯など一部の歯のみを動かす「部分矯正」かによって異なります。

ここでは、2つの矯正方法の期間の違いについて解説します。

全体矯正

歯列全体を矯正する全体矯正の治療期間の目安は、1年〜3年程度です。

しかし骨格に問題があり、外科的手術などをした場合は3〜5年程度かかることもあります。

全体矯正は、噛み合わせを含めた重症の歯並びにも対応するため、部分矯正に比べて治療期間が長くなる傾向にあります。

部分矯正

主に前歯のみを矯正する部分矯正は半年〜1年程度で終了します。

全体矯正に比べて期間が短くなる理由は、部分矯正が適応となる人は元々歯並びの悪さが軽症だったり、歯を動かす距離が短いためです。

また、前歯は奥歯に比べて歯根の本数が少なく動かしやすいため、矯正治療が比較的早く終わります。

歯列矯正で変化するのが早い人の特徴は?

歯列矯正で変化するのが早い人の特徴は以下のとおり。

  • 悪習慣がない
  • 代謝が活発
  • 年齢が若い

以下で詳しく解説します。

悪習慣がない人

お口に関する悪習慣があると、矯正したい方向の反対に力をかけてしまうため、歯が整うのに時間がかかってしまいます。

歯列矯正の妨げとなる悪習慣の例は以下のとおり。

  • 頬杖
  • 口呼吸
  • 指しゃぶり
  • 爪噛み
  • 歯ぎしり
  • 食いしばり
  • 舌癖

たとえ弱い力であっても、日常的に行ってしまうと歯並びに悪影響があります。

気をつけていても無意識におこなってしまう人は、癖を治すトレーニングを行うことをおすすめします。

代謝が活発な人

代謝が活発な人は、歯列矯正が早く終わりやすいです。

なぜなら歯が動くことは、歯の周囲組織(歯根・歯根膜・歯槽骨など)の代謝速度が関係しているからです。

歯列矯正による変化を早く実感したい人は、ストレッチをする、温かい食べ物をとる、よく噛んで食べるなどの代謝が上がる生活習慣を心がけてください。

年齢が若い人

歯列矯正は、年齢が若いほど代謝が良いため歯が動きやすく、矯正期間が短くなります。

特に10代は歯の動きが圧倒的に早く、20代以降は歯が動くスピードが遅くなっていきます。

だからといって年齢を重ねた方が歯が動かないわけではないのでご安心ください。

まとめ

歯列矯正によって歯が動く量は、1ヶ月に0.5mm〜1mm程度です。

これ以上のスピードで歯を動かそうとして強い力を加えると、歯にダメージが及び、歯根吸収になるリスクがあります。

歯列矯正による歯並びの変化を実感できる時期は、個人差がありますがおよそ半年くらいでわかる人が多いです。

矯正期間は症状や矯正する範囲などによって変わります。

全体矯正は1年〜3年程度、部分矯正は半年〜1年程度が矯正期間の平均です。

より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をお待ちしております。

監修医師:土黒 さくら

インビザライン認定ドクター

キレイライン認定ドクター

略 歴
2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
2020年 赤坂さくら歯科クリニック 開院

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