フッ素入り歯磨き粉で虫歯予防!効果や選ぶポイントをご紹介
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
厚生労働省の行っている健康日本21では、生涯にわたり自分の歯を20本以上保つことにより健全な咀嚼能力を維持し、健やかで楽しい生活をすごそうという「8020運動」を行っています。
老後、歯の損失が少なく、しっかり自分の歯で咀嚼を行っている人は、生活の質や活動能力を高め、運動能力や視聴覚機能が優れていると厚生労働省の調査結果で明らかになっています。
「自宅で簡単に虫歯予防がしたい」
そんな方には、虫歯予防効果のあるフッ素入り歯磨き粉をおすすめします。
この記事では、フッ素入り歯磨き粉の効果や選び方、効果的な使用方法をご紹介していきます。
赤坂さくら歯科クリニックでは、虫歯予防に効果的なフッ素塗布を行っています。
フッ素塗布は定期的に行うことで、より高い虫歯予防効果が期待できます。
予防歯科に興味のある方は、ぜひ当院にご相談ください。
目次
フッ素入り歯磨き粉の3つの効果
フッ素には、「歯の再石灰化を促す」「虫歯への抵抗力を高める」「細菌の抑制」の3つの効果が期待できます。
歯を修復する「再石灰化」を促す
歯は食事をする度に、虫歯菌が作り出す酸によって、歯のカルシウムやリン酸が溶け出す「脱灰」が起こっています。
脱灰が進むと、歯がスカスカになり、穴があく一歩手前の初期虫歯の状態になります。
フッ素は、脱灰した歯にカルシウムやリン酸を補給し修復する「再石灰化」を促し、初期の虫歯を修復する働きがあります。
虫歯への抵抗力を高めて歯を強化
フッ素にはエナメル質を強化し、酸に負けない歯を作る働きがあります。
歯の表面を覆うエナメル質は、「ハイドロキシアパタイト」という成分でできていますが、この成分は虫歯菌が作り出す酸に弱く、崩れやすいです。
フッ素を取り込むことで、この「ハイドロキシアパタイト」を「フルオロアパタイト」に入れ替え、再結晶化します。
「フルオロアパタイト」は酸に強く脱灰しにくいため、フッ素を取り込むことで歯の質を強くすることができます。
虫歯の原因となる細菌の働きを抑える
フッ素には、虫歯が活動する為に必要な「エノラーゼ」という酵素の働きを抑制する効果があります。
「エノラーゼ」を抑制することで、虫歯の原因となる細菌の働きを弱めることができます。
フッ素は、細菌の働きを弱めることで、虫歯になりにくい口腔環境にしてくれます。
フッ素入り歯磨き粉を選ぶ3つのポイント
フッ素入り歯磨き粉と言っても様々な種類があるので、どれが自分に合っているのか悩みますよね。
そこで、フッ素入り歯磨き粉を選ぶポイントを3つご紹介していきます。
高濃度のフッ素が配合されている
日本で販売されている歯磨き粉に含まれるフッ素の最高濃度は1450ppmです。
フッ素は濃度が1000ppmを超えると、500ppm濃度が濃くなるたびに、6%虫歯の予防効果が高まります。(参考文献:WHO Technical Report No.846, 1994)
フッ素入り歯磨き粉を選ぶときには、濃度を確認するようにしましょう。
フッ素の成分をチェック
フッ素の成分は、主に「フッ化ナトリウム」「フッ化第一スズ」「モノフルオロリン酸ナトリウム」の3種類があります。
≪フッ化ナトリウム≫
最も多く使用されているフッ素の成分で、効果が素早く歯の表面を強くしてくれます。
虫歯のない健康な人や、気軽に使える商品が欲しい人におすすめです。
≪フッ化第一スズ≫
スズイオンによる高い殺菌効果があり、虫歯予防だけではなく歯周病の予防効果も期待できます。
虫歯になりやすい人や、歯周病も予防したい人におすすめです。
≪モノフルオロリン酸ナトリウム≫
歯の奥まで浸透し、歯の再石灰化を促す効果があります。
歯への残留が少なく効果も穏やかですが、フッ化ナトリウムより毒性が低いので、小さい子供や初期の虫歯がある人におすすめです。
好みの使用感で選ぶ
フッ素入り歯磨き粉には、「ペーストタイプ」「ジェルタイプ」「泡タイプ」と大きく分けて3種類あります。
特長 | |
ペーストタイプ |
・一般的な歯磨き粉のタイプ ・発砲剤が含まれていることが多い為、泡立ちが良く爽快感があるのが特長 |
ジェルタイプ |
・粘着感が強く歯にしっかり密着してくれる ・泡立ちが少なく、歯をしっかり見ながらブラッシングできる |
泡タイプ |
・ポンプタイプで1回量が1プッシュで出てくるので、使いすぎを防ぐことができる ・口腔内に残りにくく、泡で磨くことで歯や歯茎のこすり過ぎを防ぐ |
虫歯予防効果を高めるフッ素入り歯磨き粉の使用方法
フッ素入り歯磨き粉の効果をより高めるために、使用する際にいくつかの注意点があります。
磨く前に歯磨き粉をは全体に塗る
フッ素を歯全体に塗るために、磨く前に歯全体に歯磨き粉を塗るようにしましょう。
3分以上ブラッシングする
しっかり歯全体にフッ素を浸透させる為に、3分以上のブラッシングがおすすめです。
少量の水で1回すすぐ
大量の水でうがいしてしまうと、フッ素が流れ落ちてしまうため、10〜15ml程度の少量の水で1回うがいするようにしましょう。
歯磨き後1~2時間は飲食を避ける
フッ素を長く歯に残すために、1〜2時間は飲食を避けると効果的です。
また、就寝前に行うとより効果的です。
フッ素入り歯磨き粉は身体に影響はある?
フッ素の過剰摂取は、フッ化物急性中毒やフッ素症になる危険性があります。
特にフッ素症は6歳以下の子供に多く、注意が必要です。
しかし、急性フッ素中毒になる目安量は5㎎/㎏で、これは体重18㎏の5歳児がフッ化物洗口液(0.05%フッ化ナトリウム溶液)を40人分1度に飲んだ場合に起こりえる症状です。(厚生労働省 フッ化物中毒量参照)
幼児の1日3回の歯磨きに含まれるフッ素量は約0.12〜0.18㎎なので、意図的に大量摂取しない限り影響はありません。
まとめ
虫歯予防には、毎日の歯磨きに使えるフッ素入り歯磨き粉がおすすめです。
フッ素には虫歯を予防する効果があり、フッ素配合量や成分・使用感など、自分に合ったものを選ぶことができます。
また、フッ素入り歯磨き粉を使用する際には、いくつかの注意点を確認することで、より高い効果を得られます。
フッ素入り歯磨き粉で、虫歯のない健康的な歯を目指しましょう。
より効果のある虫歯予防には、赤坂さくら歯科クリニックで行っている「フッ素塗布」がおすすめです。
自宅で行うフッ素入り歯磨き粉よりも高濃度で、効果が数週間から数か月持続します。
定期的に来院してフッ素塗布を行うことで、虫歯予防効果を持続させることができます。
予防歯科に興味がある方は、より詳しくはぜひ赤坂さくら歯科クリニックまでご相談ください。ご来院をお待ちしております。