インビザラインの流れは?カウンセリングから矯正後まで詳しく解説!
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
歯の矯正治療であるインビザライン矯正。すでに全世界1300万人以上(2022年6月時点)の方が経験し、認知度も徐々に高くなってきましたね。
従来のワイヤーを使った矯正と違い、透明なマウスピース型の矯正装置を使うため目立ちにくく、痛みもほとんどないため人気の矯正治療ですが、どのような流れで矯正が進むのかはご存じですか?
ここでは、インビザライン矯正を考えている方向けにカウンセリングから矯正終了後までの「流れ」について詳しく解説します。
目次
インビザライン矯正の流れ①|カウンセリング
自費診療となるインビザラインは、保険診療に比べるとやはり高額です。そのため、患者様にとっては心配な点も多いのでは?
その不安を取り除くため、インビザラインをする際にはまず丁寧なカウンセリングからはじまり、治療について画像や資料を使って最適な治療プランが提案されます。
初回カウンセリングは無料のところが多いため、分からないことはその時にしっかり確認することが大切です。
また、インビザライン矯正での矯正適応外となってしまうケースもあるため、適応できるかどうか口の中を見て検討します。この際、口腔内の写真やレントゲン撮影、CT撮影をして確認される場合も。
もし、インビザラインができない場合は、他の矯正治療を提案されることもあります。
インビザライン矯正の流れ②|3Dモデルの作製・歯の型取り
カウンセリングや口の中を確認後、「iTero」と呼ばれる3D光学スキャナーでマウスピースの型取りをします。
iTeroとは歯の形状や歯列の状態などを確認し、精密な歯型データを作製する機械です。シリコン製の印象材を使った今までの歯型取りとは異なり、撮影時間が短く、嘔吐反射の強い方でもストレスなく行うことができます。
iTeroで取得したデータといくつかの資料を、開発元のアライン・テクノロジー社に送付します。
その後、アライン・テクノロジー社にて、患者様のお口の状態を再現した3Dモデルの治療計画が作成され、そのデータが歯科医師に送信されます。
インビザライン矯正の流れ③|シミュレーション・治療計画
アライン・テクノロジー社から送られてきた3Dモデルの治療計画をもとに、各歯科医院で歯を移動するシミュレーションを行い、担当の医師が治療計画を立案します。この治療計画の内容によって治療の仕上がりが大きく変わるためとても大切な部分です。
そして、シュミレーション画像を患者様に見てもらい、治療計画の詳細と治療期間について説明されます。このとき、シミュレーション画像にて治療後の仕上がりも確認できます。
インビザライン矯正の流れ④|アライナーの作製・発送
患者様に治療計画と仕上がりを充分に説明・納得してもらった後は、アライン・テクノロジー社にて必要なマウスピース型矯正装置(アライナー)が一度に作製され、歯科医院宛に発送されます。
アライナーは矯正中に30〜80枚を交換しながら、歯を少しずつ動かしていきます。そのアライナーがまとめて発送されるということです。
ちなみに、治療開始までに虫歯や歯周病などがある場合は治療が優先され、終了してからインビザラインを開始するのが一般的です。
インビザライン矯正の流れ⑤|アライナーが到着
アライナー到着後、口の中をクリーニングし、アタッチメントを取り付けます。
アタッチメントとは直接歯に接着し、アライナーのずれを防いだり、歯が動くのを助ける役割を持っています。
今後のアライナー装着についての注意事項など、詳しく説明があります。
インビザライン矯正の流れ⑥|アライナーを装着しての生活
自宅に戻った後は、およそ1週間ごとにアライナーを付け替えることになります。
アライナーの交換と期間について
アライナーは、1つにつき最大「0.25mm」ずつ歯を移動できるように作られています。つまり、1mm移動させるためには4つのアライナーが必要ということです。約1週間で1つ交換します。
矯正完了に要する期間は「どれくらい歯を移動させる必要があるか」で変わってくるため、人によって違いますが、およそ1年半〜2年で完了します。
アライナー装着中の4つの注意事項
インビザラインを成功させるためにはアライナー装着中に守るべき注意事項が主に4つあります。
注意事項その1|装着時間を守る
インビザラインの矯正効果をしっかり出すためには、1日20時間以上アライナーを装着することが大切です。
この1日20時間というのは「食事」や「歯磨き」以外は装着するということです。
アライナーの脱着を1日に何回かするため、装着し忘れなどがあると、歯の移動が予定どおりに進まないため、自己管理に責任を持ちましょう。
注意事項その2|通院頻度を守る
経過を確認するため、最初の数ヶ月は2週間に1回程通院することになるでしょう。
その後アライナーに慣れてきたら、1ヶ月に1回、もしくは2〜3ヶ月に1回に間隔が空き「計画通りに歯が動いているか」「アタッチメントは大丈夫か」…などを細かくチェックします。
こういった確認を毎回繰り返し、もし治療計画の変更が必要になった場合は、その都度変更しながら矯正治療を進めていきます。
ちなみに遠方の方の場合、通院頻度を配慮してくれる歯科医院も多いため、相談してみましょう。
注意事項その3|日頃のアライナーのお手入れ
アライナーのお手入れは日々の生活の中でとても大切です。
アライナーは、
- 歯ブラシで軽く磨く
- 指でこすり洗いする
- アライナー用の専用洗浄剤を使う
など、常に清潔に保つよう心がけましょう。
歯磨き粉には研磨剤が含まれていることもあり、アライナーに細かい傷がつき、そこに汚れや着色がつきやすくなってしまう可能性もあります。アライナーの洗浄に歯磨き粉は使わないようにしましょう。
注意事項その4|口の中の衛生管理に気を配る
インビザライン矯正中、虫歯ができてしまうと、矯正治療よりも虫歯治療が優先されます。そうすると、虫歯治療後にアライナーが合わなくなるということもでてきてしまいます。
また、虫歯治療中は、矯正治療を進めることができないため、治療期間がその分長引いてしまいます。
毎日、丁寧な歯磨きを心がけ、虫歯にならないように気を付けましょう。
インビザライン矯正の流れ⑦|矯正治療が終了後
インビザライン治療終了後も、保定装置(リテーナー)を装着する必要があります。
リテーナー装着期間は、基本的にアライナーを使用していた歯の移動にかかった時間とほぼ同じで、必ず保定期間を終えるようにしましょう。
歯並びを整えただけでは、歯が元の位置に戻ろうとしてしまうため、今まで付けていたアライナーより少し強度が高いリテーナーを装着します。
特に、インビザライン治療完了直後は歯が動きやすいです。せっかく整えた歯並びを維持していくためにも、終日のリテーナー装着をおすすめしています。
また、「頬杖をつく」、「横向きで寝る」といった行為は、一定の歯に圧がかかりやすいため、歯が移動する可能性があります。できればやめるようにしましょう。
インビザライン矯正の流れについてのまとめ
インビザライン矯正の流れは以下の通りです。
- カウンセリングにて不安や悩みを聞いてもらう
- 3Dモデルの作製と歯の型取りをする
- シミュレーション、治療計画を立案し患者様に説明する
- アライナーが一度に作製され、まとめて歯科医院に発送される
- アライナーが到着してアタッチメントの取り付け、今後の説明をされる
- 自宅にてアライナーを装着しての生活がはじまる
- 矯正治療終了後、リテーナーを装着して保定期間を過ごす
このような流れになっています。
大切なことはインビザライン矯正を成功させるために、いくつかあるルールを守ることです。
アライナーの装着時間や通院頻度を必ず守り、日頃のアライナーのお手入れ、口の中の衛生管理をしっかりすることを徹底しましょう。
少しでも不安や疑問があれば、初回のカウンセリングは無料のところが多いです。気軽な気持ちでまずは問い合わせてみてはいかがですか。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。