インビザライン(マウスピース)を付けての食事の注意点を医師が徹底解説
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
「インビザラインを付けての食事はだめかな?」
以上の悩みを解決する記事です。
結論、食事をする際は、インビザラインで使用するマウスピースを外します。
付けたまま食事をすると、虫歯や歯周病、マウスピースの変形が起きるからです。
矯正装置を付けたまま食べる「ワイヤー矯正」とは違い、自由に取り外しができます。
また、食事中にマウスピースを外す3つの理由、注意点を詳しく解説します。
また、食事中にアタッチメントが取れてしまったり正しい付け方について詳しく知りたい方は「インビザライン矯正のアタッチメントが取れたらどうする?付け方や対処法を解説」をご覧ください。
この記事を最後まで読むと、食事中にマウスピースの取扱いで悩まなくなります。
インビザラインについて興味がある方は赤坂さくら歯科クリニックまでご連絡ください。
目次
インビザライン矯正中の食事で注意するポイント
食事をする際にマウスピースを外す理由は、計画した期間でインビザラインの治療を終えるためです。
マウスピースを付けたままだと、虫歯や歯周病、マウスピースの変形が起きてしまい、矯正治療の完了が遅くなります。
食事と歯磨きを除き、1日20時間以上付ける必要があります。
マウスピースの変色
色の濃いカレーやコーヒー、チョコレートなどを食べると、透明なマウスピースが汚れます。
なぜなら、汚れの原因となる「ポリフェノール」が含まれているからです。
矯正中によくあるのがマウスピースを着用時に、コーヒー・赤ワイン・オレンジジュースなどの色の濃いものを飲んでしまって、はっきりと色がつく場合があります。
マウスピースが変色すると、水で洗ってもきれいに汚れが取れません。
インビザラインは透明なことがメリットなのですが、変色してしまうことでそのメリットがなくなってしまうので注意が必要です。
色の濃いものを飲食するときは、マウスピースが変色しないように外しましょう。
虫歯や歯周病について
マウスピースを付けたまま、糖質が入ったものを飲むと砂糖水で歯をパックした状態になり、虫歯や歯周病にかなりなりやすくなります。
歯周病は細菌のかたまりである歯垢(しこう)が、歯の表面に付くことが原因です。
通常は口の中にある唾液(だえき)が、歯に付いている糖分や食べ物のカスを洗い流し、きれいな状態をキープします。
しかし、マウスピースが歯にピッタリ密着していると、唾液が歯に届かないため、虫歯や歯周病になりやすいです。
食事をする際はマウスピースを外さないと、虫歯などの症状が現れます。
マウスピースの変形
マウスピースを付けたまま熱いコーヒーやお茶を飲むと、変形する可能性があります。
熱に弱いプラスチック素材でつくられているからです。
マウスピースを提供している「インビザライン・ジャパン」によると、40°程度の温水に15分触れると、変形の恐れがあると回答しています。※
※チャットで「温度」と相談した回答
マウスピースが変形すると、付けたときにフィットしないため、計画した位置に歯を動かせません。
マウスピースを装着したまま熱いドリンクを飲むことで、変形する恐れがあります。
マウスピースをつけて良い食事とは
水や炭酸水、お茶を飲む際は、マウスピースを付けたままでも問題ありません。
虫歯の原因となる「糖分」を含んでいないからです。
飲食するときにマウスピースを外すのは、歯周病や虫歯にならないためです。
虫歯ができやすい糖分がない水や炭酸水であれば、装着したままでも飲めます。
ただし、40°以上の熱いドリンクを飲むと、変形の可能性があるためマウスピースは外しましょう。
マウスピースの外し過ぎは要注意!
1日に何度もマウスピースを外すと、歯並びがきれいになりません。
歯に力をかける時間が少なくなるため、適切な位置に動かないからです。
インビザライン矯正のマウスピースは、1日20時間以上付けることが必要とされています。
基本的に食事と歯磨きの時間以外は、マウスピースを付けるとよいです。
インビザラインの効果を得るためには、マウスピースを何度も外さないことが大切になります。
担当の歯科医師から「付けたまま食事をして」と指示された場合
マウスピースを付けたまま食事をするように言われた場合は、もう一度付け方の確認をするとよいです。
装着したまま食事をすると、マウスピースの変形、虫歯や歯周病になる恐れがあるからです。
インビザラインを提供しているインビザライン・ジャパンのHPにも、「食事中はマウスピースを外す」と記載されています。
”治療中は食事の際にはマウスピースを着脱することで、食べ物の制限は基本的にはありません。”
歯科医師にマウスピースの付け方を、もう一度確認することをおすすめします。
インビザライン中に食事をする3つの注意点
計画した治療期間できれいな歯並びにするためには、食事をする際に3つの注意点があります。
マウスピースを外せないときは、硬い食材を避ける
マウスピースを外せないまま食事をする際は、アーモンドやホルモンなどの硬い食材は控えるとよいです。
マウスピースが破損したり歯茎に負担がかかったりするからです。
「急な食事に誘われた」「目の前に人がいる」の状況では、マウスピースを外せないケースもあります。
食べるときのかむ力は、女性で約40㎏と強いです。
マウスピースの厚さは0.5mmと薄いため、何度もかむと破損する恐れがあります。
マウスピースを外せないときは、硬い食材ではなく柔らかいものを食べましょう。
マウスピースを専用ケースで保管
食事や歯磨きをする際にマウスピースを外したら、クリニックから受け取った専用ケースに保管しましょう。
マウスピースにホコリが付いたり、紛失する恐れがあるからです。
紛失するとつくり直しが必要になるため、追加料金がかかったり治療期間も伸びます。
マウスピースを外したら、専用ケースで保管することが大切です。
食後は歯磨きをしてマウスピースを装着
食後は歯磨きをして口の中をきれいにした状態で、マウスピースを装着します。
口の中に食べカスが残ったままマウスピースをすると、内側に細菌が付くため虫歯や歯周病になりやすいです。
また、「歯間ブラシ」や「デンタルフロス」の使用をおすすめします。
食後にマウスピースをつける際は、歯磨きをして口の中をきれいにするとよいです。
まとめ
インビザライン矯正中に食事をする際は、マウスピースを外すことが大切です。
外さなければ、虫歯や歯周病、マウスピースの変形などが起こり、治療の遅れにつながります。
マウスピースを外して食事をするなら、好きなものを食べても大丈夫です。
歯並びがきれいになるように、食事と歯磨きをする以外は、1日20時間以上の装着が大事です。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。