インビザライン矯正のアタッチメントが取れたらどうする?付け方や対処法を解説
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
インビザラインのアタッチメントとは、歯の表面に突起物(素材:レジン)を接着することで、アライナーによるコントロールをしやすくするためのものです。
アタッチメントを付けることにより、歯がより正確に動きやすくなり、治療効果を上げることができます。
しかし、インビザラインのアタッチメントは取れやすいのが難点です。
今回は、インビザラインのアタッチメントはなぜ取れるのか、取れた時の対処法や正しい付け方について解説します。
インビザラインの正しい付け方などより詳しく知りたい方は赤坂さくら歯科クリニックまでご連絡ください
目次
インビザラインのアタッチメントが取れる原因
インビザラインのアタッチメントが取れる主な原因は以下の5つです。
- 誤った方法でアライナーを着脱している
- 歯に被せ物がしてある
- 口の中に汚れが溜まっている
- 食事
- 噛み合わせの状態
1つずつ解説します。
誤った方法でアライナーを着脱している
アライナーを正しい方法で着脱しないと、アタッチメントが取れやすくなります。
特に、アライナーを外すときには要注意です。
歯の表側にあるアタッチメントが、アライナーを外すときに一緒に取れてしまうリスクがあります。
予防策として、アライナーを外すときは必ず内側から外すようにしましょう。
歯に被せ物がしてある
銀歯などの被せ物をしている部分のアタッチメントは、接着面が不安定なため取れやすい状態です。
何度も取れてしまう場合には、被せ物の表面を削ったり、一時的に仮歯に変えるなどの対応が必要となります。
口の中に汚れが溜まっている
アタッチメントの周りに汚れが溜まっていると、アタッチメントの素材(レジン)が劣化して外れやすくなります。
アタッチメントはお手入れがしにくい形状をしていますが、歯磨きの際は意識して念入りに汚れを取りましょう。
食事
アタッチメントが取れてしまうのを防ぐために、硬すぎるものや粘着性が強いものを食べるのは控えましょう。
例えば、おせんべいや硬いお肉を食べると噛む力によって外れてしまったり、ガムを食べるとアタッチメントがくっついて外れてしまうことがあります。
食事の際はアライナーを外すためついつい忘れがちですが、食べ物には注意が必要です。
食事については「インビザラインを付けての食事はNG!失敗する3つの理由【医師が解説】」に詳しい記事があるのでこちらもご覧ください。
噛み合わせの状態
噛み合わせが深い人はアタッチメントが取れやすいです。
「噛み合わせが深い」とは、上の歯が下の歯を覆いかぶさっている量がとても多い状態のことです。
噛み合わせが深いと、アタッチメントがついている部分に反対側の噛み合っている歯が当たってしまうため、アタッチメントが外れやすくなります。
矯正治療の過程で噛み合わせの深さは改善していきますが、初めのうちは注意が必要です。
アタッチメントが取れた時の対処法
ここでは、アタッチメントが取れてしまった時の対処法について解説します。
アタッチメントが取れてしまうことはよくあることなので、慌てる必要はありません。
放置をせず、取れてしまった時点ですぐに対応をすることが重要です。
①歯科医院に電話
アタッチメントが取れてしまったら、すぐに通っている歯科医院へ連絡をしましょう。
その際、どこの部分のアタッチメントが取れたのかを伝えてください。
歯科医師がアタッチメントをすぐに付け直す必要があるかを判断します。
次回の検診日を早めるか、それとも予定通りの検診日でよいかの指示を受けましょう。
②次回診察時に再設置
取れてしまったアタッチメントは、次回の健診時に全てきれいに付け直してもらうことができます。
アタッチメントを付け直せば、問題なく矯正治療を続けることができますので安心してください。
なお、アタッチメントが取れたまま放置をしてしまうと、治療計画に遅れが生じる可能性がありますので注意をしましょう。
アタッチメントが取れないようにするには
ここでは、アタッチメントができるだけ取れないようにする方法をご紹介します。
アタッチメントが外れやすくて悩んでいる人は、以下のポイントに気をつけてみてください。
食べ物に注意
アタッチメントが取れやすい食べ物には注意をしましょう。
硬いものや粘着力の強いものを食べると、アタッチメントに強い衝撃が加わり外れてしまうことがあります。
アタッチメントを付けている期間は、食べ物の内容に注意したり、細かくしてから食べるなどの工夫が必要です。
歯磨きを工夫
アタッチメントの周りが汚れていると、素材が劣化し外れやすくなります。
食べかすや汚れが残らないように毎日の歯磨きを工夫しましょう。
アタッチメントの一つ一つを丁寧に磨き、凸凹した部分の汚れもきれいに取り除くことを意識してください。
正しい方法でアライナーを着脱
間違った方法でアライナーを着脱すると、アタッチメントに強い力が加わり外れてしまいます。
正しくアライナーを着脱できているか確認をしてみてください。
アタッチメントの正しい付け方・外し方
ここでは、アタッチメントの正しい付け方と外し方を解説します。
正しい着脱方法の基本は、
①アライナーの着脱は必ず両手で行う
②「カチッ」とはまる箇所に装着する
③噛んではめない
の3つです。
正しい付け方
まずはアライナーを口にいれ、歯にそわせます。
次に、噛み合わせの部分を指の腹を使ってしっかりと押します。
前歯だけでなく奥歯までしっかりと押して、「カチッ」とはまったことを確認できたら装着が完了です。
正しい外し方
アライナーを外すときは、表側にあるアタッチメントが取れないように必ず内側から外してください。
アライナーを外す手順は、まずアライナーのふちに爪をひっかけて歯から浮かせます。
そして、左右の奥歯の部分を十分に浮かせてから、浮いた部分を持って外します。
インビザラインのアタッチメントは必ず必要?
結論から言いますと、「よほど軽度な矯正治療でない限り、アタッチメントはあったほうが良い」です。
インビザラインのアライナーは、歯根のコントロールが苦手です※。
歯根までしっかりと動かすためには、アタッチメントで歯根の動きを補う必要があります。
アタッチメントは舌や頬に当たるため、慣れるまでストレスに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしアタッチメントがあることでより細かい歯の移動が可能となり、インビザラインの治療効果を最大限に発揮してくれます。
アタッチメントの重要性を理解して、正しく使用し、きちんとメンテナンスを行いましょう。
※2019 A systematic review of the accuracy and efficiency of dental movements with Invisalign®
まとめ
インビザラインのアタッチメントが取れてしまうのはよくあることです。
アタッチメントが取れてしまったら、すぐに歯科医院に連絡して指示を受けましょう。
また、日頃からアタッチメントが取れないように気をつけることも大切です。
この記事の内容を参考に、装着方法、食べ物、歯磨きに注意をしてみてください。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。