インビザライン

インビザラインの効果はいつから実感できるの?マウスピース矯正の効果を解説

歯科医師
土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)

鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。

インビザラインは従来のワイヤー型矯正と異なるマウスピース型の矯正装置で、透明で目立たないため人気です。

1300万人以上の患者データを活用した最新のシステムを強みとして大変人気となっています。

しかし、クリニックではインビザラインの効果がいつから実感できるのかや、そもそも効果は出ないのでは?などについて頻繁に質問を受けます。

そこで、今回は、インビザラインの効果を実感できる期間やそもそも実感できないとおっしゃっておられる方の効果を実感できない理由について解説します。

インビザラインの効果についていつから実感できるようになるのか疑問や不安をお持ちの方はぜひ最後までご覧ください。

インビザラインの効果はいつから実感できる?

インビザラインの効果が実感できるのは、半年ほど経過してからであることが多いです。

目に見えて違いがわかるのは1年半以上かかることも普通です。

効果を実感するまでに少し時間がかかる理由は、歯を1ヶ月に動かせる距離に限界があるからです。

成人の場合、1ヶ月に動かせる歯の最大移動量はおよそ1mm程度で、この移動距離が痛みが出過ぎない適切なスピードといわれています。

これ以上早く動かそうとした場合、歯に過度な圧力がかかり歯根吸収や歯の傾斜の原因となってしまうことがあります。

インビザライン治療では、1つのマウスピースで動かす歯の距離は0.25mmまでと決められています。

マウスピースはおよそ1週間で交換していきますので、1ヶ月あたりの歯の移動距離は1mm程度となります。

インビザラインの効果が現れた時期の症例写真

実際に、赤坂さくら歯科クリニックでのインビザラインの効果の症例写真はこちらです。

叢生(そうせい)の症状で右上の部分が明らかに滑らかになっております。

おおよそ、1年6ヶ月ほどかかってこのような状態になりました。なんとなく効果を実感できるのは半年でしたが、明らかに実感できるのは1年半以上かかると思われます。

なお、下顎の正中は現在調整中です。

また、別の方の事例を紹介します。

こちらはインビザラインの治療に2年かかった形です。

上下の凸凹が明らかに矯正されています。

2年あればほとんどの方は明らかな効果を実感いただいています。

効果が実感できない場合もあるって本当?

とはいえ、インビザラインの効果の実感をなかなか感じられないとおっしゃる方も中にはおられます。

そこで、「インビザラインの効果が出ない」「インビザラインの変化を感じられない」という方のよくある原因について解説します。

具体的には以下の3点がよくある原因となっております。

  • 装着時間が足りていない
  • 装着方法を間違えている
  • マウスピースの交換時期が不適切

それでは、1つずつ解説していきます。

装着時間が足りていない

インビザライン矯正は、装着時間が何よりも重要です。

食事と歯磨きのときはマウスピースを外しますが、1日22時間以上は装着することが必要となります。

自己都合で1日10時間しか装着しないなど装着時間が不十分である場合、矯正の効果が薄まるばかりか、歯が元の位置に戻る「後戻り」の原因にもなりますので注意しましょう。

装着方法を間違えている

インビザラインで治療効果を出すには、マウスピースを正しく装着することも重要です。

マウスピースをつけるときは、両手でマウスピースを持ち、奥歯からゆっくりはめます。

指で押して隙間なくはまったことを確認したら、垂直に力が加わるようにぎゅっと噛んで密着させましょう。

マウスピースの交換時期が不適切

マウスピースを自己判断で交換してしまうと、治療の延期や治療計画の立て直しの原因になります。

歯科医師の指示に従い、決められたスケジュールを守ってマウスピースを交換してください。

ワイヤー矯正とインビザラインの効果の実感の違い

ワイヤー矯正とインビザライン矯正のどちらの方が効果を実感しやすいかは、個人差があります。

ワイヤー矯正の方が効果を実感しやすいケースは、痛みの強さが理由であることが多いです。

インビザライン矯正はワイヤー矯正と比べて痛みが少ないため、効果がないと勘違いしてしまう人がいます。

一方、インビザラインの方が効果を実感しやすい人もいます。

その理由は、ワイヤー矯正は歯の表面に装着するブランケットがあるため、歯の動きを確認することが難しいからです。

インビザラインで定期的にマウスピースを交換していくことが矯正の効果の実感につながる人もいます。

正しく治療を継続できれば、どちらの方法も矯正効果がありますので安心してくださいね。

インビザラインの効果を高める方法

インビザラインの効果を早く実感するには、決められたルールを守りながら治療を進めることが重要です。

ここでは、インビザラインの効果を高める方法をご紹介します。

  • 適切なクリニック選び:インビザライン矯正の失敗を避けるためには、クリニック選びがとても重要です。

マウスピース矯正に精通しており、精密検査や患者さんへの説明をしっかりしてくれるクリニックを選ぶと良いでしょう。

  • 装着方法や装着時間を守る:装着方法と装着時間はインビザライン矯正において最も重要な要素です。

医師に指示された装着方法と装着時間を守ることで、計画通りに矯正治療を進めることができます。

  • 通院頻度やマウスピースの取り替え頻度を守る:インビザラインによる治療中は、1〜2ヶ月ごとの通院が望ましいとされています。

通院時には、計画通りに治療が進んでいるか、虫歯などのトラブルが起きていないかなどのチェックを行いますので必ず通院するようにしましょう。

  • 虫歯に注意する:口腔内を清潔に保ち、虫歯を予防することも大切です。

虫歯治療により歯の形が変わるとマウスピースが合わなくなってしまう可能性もあります。

フィットしていないマウスピースを使用し続けると、期待した治療効果が出ないことがあります。

インビザラインは歯列矯正の効果があるの?

インビザライン本当に効果があるのかインビザラインの特徴や歯が動いていく仕組みとともに詳しく解説します。

インビザラインの特徴

インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が提供するマウスピース矯正ブランドです。

従来のワイヤー矯正と比べ、透明で目立ちにくく取り外しができる点が特徴で、数あるマウスピース矯正の中でも年々人気が高まってきているブランドですよ。

インビザライン矯正で歯が動く仕組み

インビザラインでは、マウスピース型の矯正装置を使用して歯を動かしていきます。

しかし、歯が動くメカニズムは従来のワイヤー矯正と同じです。

歯とその周辺の歯槽骨(しそうこつ)との間には、歯根膜(しこんまく)という繊維のクッションがあります。

矯正装置により歯根膜に圧力が加わると、歯根に圧迫された側の骨が吸収され、反対側の隙間には新しい骨が再生されます。

吸収と再生を繰り返すことで、少しずつ歯が移動していくのです。

インビザラインでは、理想とする形のマウスピースを装着することで歯を動かしていきます。

定期的にマウスピースを交換しながら少しずつ歯を動かすため、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないことが特徴です。

また、インビザラインは矯正装置を作製する際に最新のAI技術を利用するため、精密なマウスピースを作ることができます。

型取りの際に光学スキャナを歯に当てて情報を読み取ることで、コンピューターソフトが歯形や治療計画を作成します。

あとは、これらの情報を元に3Dプリンターがオーダーメイドのマウスピースを作成してくれます。

まとめ

インビザラインはゆっくりと歯を動かしていくため、効果を実感できるのは治療開始からおよそ半年後です。

また、インビザラインの効果を実感するためには決められたルールをしっかりと守り続けることが非常に重要です。

今回ご紹介した内容を参考に、インビザラインの効果を最大限引き出して理想の歯並びを手に入れてくださいね。

より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。

監修医師:土黒 さくら

インビザライン認定ドクター

キレイライン認定ドクター

略 歴
2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
2020年 赤坂さくら歯科クリニック 開院

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