インビザラインのリテーナーはいつまで?ビベラリテーナーや保定時間や種類についても解説!
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
矯正終了後の後戻りを防ぐために重要なのが「リテーナー」です。
インビザラインで歯並びを整えたあとは、リテーナーを正しく使用してきれいな歯並びを維持します。
このように思っている方に向けて、インビザラインのリテーナーの特徴や保定期間、費用やお手入れ方法などについて解説します。
また、Youtubeでも詳しく解説しているのでこちらご覧ください。
目次
インビザラインのビベラリテーナーの特徴について
歯列矯正による治療のあと、歯並びが元に戻ってしまうことを後戻りといいます。
後戻りを防ぎ、歯並びを定着させるための装置がリテーナー(保定装置)です。
インビザラインでは、「ビベラ・リテーナー」という純正のリテーナーが提供されています。これはインビザラインを手掛けるアライン・テクノロジー社の正規品です。
ビベラリテーナーは、インビザラインと同じく透明な見た目を持ちつつ、より高い強度を誇ります。
このリテーナーの作り方には2つの方法があります。
- 矯正が完了した歯の型を取って作る方法
- 3Dスキャンデータ(クリンチェック)を基に作る方法
一度作られると、上下のリテーナーが1セットとなり、3ヶ月ごとに3セット分を交換して使用します。
また、ビベラリテーナーは他の固定式リテーナーとも組み合わせて使用することができ、より確実な保定を求める方にも適しています。
赤坂さくら歯科クリニックでも取り扱っております。
具体的に以下の特徴があります。
- マウスピース型のため、取り外しができ清潔
- コスト感が比較的リーズナブル
- 自宅でのホワイトニングも可能
マウスピース型のため、取り外しができ清潔
ビベラリテーナーは、インビザラインの矯正マウスピースと同じく、自由に取り外すことができます。
対照的に、歯に固定されるワイヤータイプのリテーナーには、フロスの使用制限や歯垢の蓄積といった問題点があります。
これらの問題は、適切な口腔ケアをしないと、虫歯や歯周病のリスクを増加させる可能性があります。
ビベラリテーナーは取り外して歯を磨くことができるので、口内を清潔に保つのが容易です。
コスト感が比較的リーズナブル
一般的に、ビベラリテーナーは3枚1セットで、3ヶ月ごとに新しいものに交換します。
費用はクリニックによって異なりますが、3枚セットでの平均的な価格は4〜6万円程度です。
事前に料金をクリニックで確認することをおすすめします。
自宅でのホワイトニングも可能
ホームホワイトニングは、専用の薬剤をマウスピースに入れて自宅で歯を白くする方法です。
ビベラリテーナーは取り外し可能なので、ホワイトニングのトレーとしても利用できます。
矯正中に歯に取り付けられるアタッチメントがあるため、その部分は白くならないことがありますが、保定期間中はその心配がありません。
さらに、ビベラリテーナーは強度が高いので、軽度の歯ぎしりを防ぐ「ナイトガード」としても活用できます。
リテーナーの種類
ビベラ・リテーナー以外にも、保定装置としてさまざまなリテーナーが存在します。
以下に、主なリテーナーの種類をご紹介します。
リテーナー | 特徴 | |
取り外し式 | ベッグリテーナー | 裏側がプラスチック、表側が金属のワイヤーになっているポピュラーなリテーナー。ワイヤーが全体にかかるタイプ。 |
取り外し式 | ホーレーリテーナー | ベッグタイプと同様に裏側がプラスチック、表側が金属のワイヤーのリテーナー。ワイヤーは前歯部分のみ。 |
取り外し式 | QCMリテーナー | 一部ワイヤーを使用しているが、そのほかが透明で目立ちにくい。 |
取り外し式 | クリアリテーナー | 透明なプラスチックでできているマウスピース型のリテーナー。 |
固定式 | リンガルリテーナー | ワイヤーを歯の裏側に装着するタイプのリテーナー。 |
ビべラリテーナーと他のリテーナーとの違い
インビザラインのビベラリテーナーが上記リテーナーとの違いについて記載します。
ビベラリテーナーは取り外して清掃できるのが魅力です。
固定式のリテーナーでは、歯のブラッシングが難しく、口内の健康リスクが上がることがあります。
しかし、ビベラリテーナーは取り外して磨けるため、口の中をきれいに保つのが容易です。
また、一般的なフィックスタイプのリテーナーは奥歯までカバーしないことが多いですが、ビベラリテーナーは奥歯までしっかりと保定します。
これにより、矯正後の歯の位置を確実にキープできます。
ただし、取り外し可能なリテーナーは管理が欠かせません。
外して置いたリテーナーを失くさないよう、専用のケースなどで保管することが推奨されます。
さらに、長時間の装着を忘れると、歯が元の位置に戻るリスクが上がるため、継続的な装着と管理が必要です。
リテーナーの費用
リテーナーの費用は、種類や医院により異なりますが、一般的に相場は3万〜6万円程度となっております。
また、歯科医院によってはリテーナー代が矯正治療の料金に含まれることもありますので、はじめによく確認してください。
インビザラインのリテーナーの保定期間(リテーナーの装着期間)はいつまで
リテーナーの保定期間(装着期間)は、矯正治療で歯を動かした期間と基本的に同じです。
例えば、2年間の矯正治療を受けた方は、最低2年間はリテーナーを使用する必要があります。
装着時間は、初めの2年間は、矯正中と同じく、1日のうち20時間以上リテーナーを装着し、その後は就寝時のみの使用に切り替えるなど、徐々に装着時間を短縮していくことが一般的です。
ただし、リテーナーの正確な使用方法や期間は、担当のドクターのアドバイスに従うことが最も良いでしょう。
具体的な指示やアドバイスについては、矯正を行うクリニックの専門家に相談することをおすすめします。
リテーナーの保定期間が不十分の場合
歯は時とともに微細な動きを見せるので、リテーナーの定期的な装着が欠かせません。これを怠ると、歯が元の位置に戻ってしまうリスクが高まります。
再矯正は、コストや時間の点で大きな負担となるため、リテーナーの指示通りの使用が非常に重要です。
また、リテーナーを長期間装着しないと、歯の位置が変わり、リテーナーが合わなくなることがあります。
合わないリテーナーを無理に装着すると、痛みを伴うことがあるので注意が必要です。
もし、リテーナーが合わなくなった場合は、新しいものを作成する必要が出てきます。
これには追加の費用が発生するため、医師の指示に従い、リテーナーを適切に使用することが求められます。
リテーナーのお手入れ方法
リテーナーを使用する上で知っておきたいお手入れ方法についてご紹介します。
リテーナーは口の中に装着するものなので清潔にしておきたいもの。
また、長い期間使用するので、丁寧にお手入れをして長持ちさせる必要があります。
洗浄方法や保管方法について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
洗浄方法
取り外し式のリテーナーは、毎日の歯磨きのときに一緒にお手入れをしてください。
毛先が柔らかい歯ブラシを使用し、リテーナーを水洗いをしましょう。
また、週に1回はリテーナー専用洗浄剤でお手入れすることをおすすめします。
お手入れの際の注意点として、下記の3点に気をつけてください。
- 熱湯消毒や煮沸消毒をしない
- アルコール消毒をしない
- 入れ歯洗浄剤を使用しない
リテーナーのプラスチック部分は熱を加えると変形の原因となりますので、熱湯消毒や煮沸消毒はしないでください。
同じく、アルコール消毒もプラスチック部分の劣化の原因となりますので注意しましょう。
また、市販の入れ歯洗浄剤は針金や留め具部分の腐食につながることもありますので、専用の洗浄剤を使用してくださいね。
保管方法
リテーナーを取り外している間は、リテーナーケースという専用のケースに入れて保管をしてください。
リテーナーをティッシュや紙ナプキンなどにつつんで置いていると、外食先で持って帰るのを忘れやすくなります。
そして、持ち帰るのを忘れると誤って捨てられてしまうことも。
また、バッグなどにリテーナーを直接入れてしまうと破損の原因にもなりますので注意しましょう。
置き忘れや破損を防ぐためにも、必ずリテーナーケースを携帯するようにしてくださいね。
リテーナー取扱いの注意点
リテーナーを正しく取り扱うために、下記の点に注意して使用してください。
- 定期的にメンテナンスをする
- 装着したまま食事をしない
定期的にメンテナンスをする
リテーナーは定期的にメンテナンスをしましょう。
長い間リテーナーを調整しないでいると、歪みや緩みが発生してくることも。
リテーナーの効果を最大限発揮するためにも、半年または1年に1度は歯科医院でメンテナンスをすることがおすすめです。
装着したまま食事をしない
リテーナーを装着したまま食事をすると、リテーナーの破損や虫歯の原因に。
リテーナーは薄い作りで熱に弱いため、食事により力や熱がかかると変形や破損の恐れがあります。
また、リテーナーをつけたまま食事をすることで口腔内に食べかすが残ったままになりやすく、虫歯の原因となってしまいますよ。
インビザラインのリテーナーについてよくある質問
では、インビザラインのリテーナーについてよくある質問をまとめてみました。
ビベラリテーナーの交換はいつ?
通常、ビベラリテーナーは3枚のセットで提供され、それぞれを約3ヶ月間使用します。
3枚目のリテーナーを使い始めた後は、破損がなければ長期間そのまま使用できます。
ただし、リテーナーの汚れが気になる場合、約1年毎の交換を考慮すると良いでしょう。
リテーナーが壊れたらどう対処すればよい?
歯ぎしりや外的な衝撃でリテーナーが割れることが考えられます。
軽微なダメージ、例えばマウスピースに微細なヒビが入る、端がわずかに欠けるなどの場合、そのまま使用しても問題ないことが多いです。
しかし、大きな破損が生じた場合、リテーナーの機能が低下し、歯の位置が変わるリスクが高まります。そのような場合は、速やかに歯科クリニックに相談し、新しいリテーナーの作成を検討することが推奨されます。
リテーナーが合わない理由は何ですか?
リテーナーがきちんとフィットしない、または装着時に痛みを感じる場合、これは歯が元の位置から動いてしまったことを示している可能性が高いです。
リテーナーを長期間使用しないと、歯は徐々に移動してしまいます。このような状況では、リテーナーの新規作成や、再度の矯正治療が検討されることがあります。
まとめ
インビザラインできれいにした歯並びを維持するためにも、リテーナーを正しく装着し続けることが非常に重要です。
リテーナーの効果を最大限活用するためにも、お手入れやメンテナンスをしっかり行ってくださいね。
インビザラインの専用リテーナー「ビベラ・リテーナー」は、耐久性が高く、クリンチェックデータから作製できるなどメリットが多くあります。
ほかにも様々なリテーナーの種類がありますので、歯科医師とよく相談し、自分に合うリテーナーを見つけてみてくださいね。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をおまちしております。