インビザラインを1日つけ忘れた!矯正に対する影響とつけ忘れないための対策などを紹介
- 歯科医師
- 土黒さくら医師
(赤坂さくら歯科クリニック)
鹿児島大学の歯学部を卒業した後、大型医療法人グループの歯科医院の分院長に就任しました。その後、そのほかの歯科クリニックで経験を積んだ上で、赤坂さくら歯科クリニックを開設しました。私はインビザライン認定医として、インビザラインやキレイラインの治療を日々実施しており、多くの患者様から満足の声をいただいています。
インビザラインは、透明のマウスピースを使って行う歯科矯正で、見た目にあまり影響なく矯正が行えることで近年人気がある矯正方法です。
自分でマウスピースの付けはずしができて歯のケアがしやすい一方で、ついついつけ忘れてしまうといった悩みも出てきてしまいます。
「1日つけ忘れてしまった」
「気づいたらマウスピースを付けていなかった」
このような つけ忘れてしまった時にどう対処すればよいか、また、矯正への影響はあるのかを解説していきます。
つけ忘れないための対策方法も一緒に紹介しますので、インビザラインで矯正中の方も、ぜひ参考にしてください。
赤坂さくら歯科クリニックでは、診療の中でもこのような疑問や不安点について相談しやすい環境になっていますので、安心してインビザラインをすすめていただけます。
目次
インビザラインを1日つけ忘れた時の対処法
インビザラインの治療では、1つのマウスピースを1週間使用し、歯を約0.25mm動かします。
1日忘れた程度であれば、この程度の小さなズレは全体の治療計画にはほとんど影響はありません。
ただし、小さくともズレが生じていることは事実なので、つけ忘れた分の1日を治療計画に追加するとより安心です。
また、1日のつけ忘れも常習的であると治療計画に影響が出ますので注意が必要です。
どのくらいのつけ忘れから影響が出る?
1週間程度インビザラインをつけ忘れてしまうと、治療計画に影響が出ている可能性が高いです。
数日のつけ忘れでも、マウスピースの装着時に違和感を感じるようであればマウスピースを無理に装着せず、歯科医師に相談しましょう。
インビザラインをつけ忘れた時の矯正への影響
インビザラインの正しい装着時間は、1日20〜22時間以上を推奨されています。
1日のほとんどの時間となりますので、時間通り装着することは患者様自身の努力が必須となり大変でしょうが、つけ忘れが何日も続いたり装着時間が短いと、次のような影響が出てしまいます。
治療計画通りに歯が動かない
インビザラインをつけ忘れると、計画通りに歯が動かず「後戻り」が起こってしまいます。
歯の後戻りとは、予定の位置に動いた歯が、元の位置もしくは違う場所に戻ってしまうことをいいます。
後戻りした状態でマウスピースをそのまま装着しても、治療計画とズレた状態なので、痛みや違和感が出たり矯正効果が得られない場合もあります。
最初に作成した治療計画通りに歯が動いていないと、新たな治療計画をたて、追加のマウスピースを作成しなければなりません。
その場合、1〜2か月程治療期間が伸びてしまいます。
歯肉退縮につながる
十分に歯が動いていない状態のまま次のマウスピースを装着することで、歯に力がかかりすぎて歯肉退縮を起こしてしまうことがあります。
歯肉退縮とは、歯の周りの歯肉が下がってしまう状態で、虫歯や歯周病の原因にもなります。
一旦歯肉退縮が起こってしまうと、元の状態に戻すのは難しいです。
インビザラインのつけ忘れが起こりやすいタイミング
下記のようなタイミングはインビザラインのつけ忘れが起こりやすいので注意しましょう。
食事や歯磨きの後
食事中と歯磨きの際は必ずインビザラインを外すため、その後装着し忘れることがあります。
新しいマウスピースにした後
新しいマウスピースを装着してしばらくは、違和感や痛みが生じやすく、ついついインビザラインをはずしてしまうことがあります。
マウスピースの違和感や痛みは2〜3日で慣れてくるため、できるだけ外さずに頑張りましょう。
3日以降でも痛みが続く場合には歯科に相談するとよいでしょう。
通常の生活と異なるイベントごとなどの時
普段の生活とリズムが変わりやすい就活の際や結婚式、旅行などのイベントがあると、インビザラインを外すタイミングも増えつけ忘れが起こりやすくなります。
インビザラインのつけ忘れを防ぐために
インビザラインをつけ忘れないためには、予防策を取ることが大切です。
すぐに取り入れられる予防策をご紹介します。
スマホのリマインダー機能を利用する
インビザラインのつけ忘れを予防するために、スマートフォンのリマインダー機能を利用することは有効です。
飲み会や結婚式が終わるタイミングなどにリマインドのアラームがなるように設定しておくことで、特に通常と違う動きをする日でもインビザラインの装着を知らせ、つけ忘れを防ぎます。
食事や歯磨きは毎日のことですので、治療開始時期にリマインダー機能を利用することで習慣化にもつながります。
インビザライン専用のスマホアプリを利用する
スマートフォンのアプリショップで探してみるとインビザライン専用のアプリもありますのでそれを利用するのもよいでしょう。
アプリでは、リマインダー機能のほか、マウスピースの交換時期を教えてくれたり、歯の写真を記録できるものもあるのでおすすめです。
赤坂さくら歯科クリニックでは、「オルソコム」というアプリを活用しています。
ひとつ前のインビザラインを持ち歩く
万が一、つけ忘れやマウスピースが破損した場合に対応できるよう、普段からひとつ前のインビザラインを持ち歩いておくとよいでしょう。
まとめ
インビザラインのつけ忘れによる歯科矯正への影響について解説しました。
1日のつけ忘れ程度では治療計画に影響が出ることはないので、慌てることはありません。
ただし、常習的なつけ忘れや1週間以上のつけ忘れは治療計画に影響が出てしまいますので、歯科医師へご相談ください。
インビザラインは、患者様ご自身で着脱できることから、装着の推奨時間である1日20〜22時間以上を患者様の努力でしっかり守れるかどうかが矯正治療のポイントとなります。
今回紹介した、インビザラインをつけ忘れないための予防策できれいな歯を目指しましょう。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をお待ちしております。